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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第3章:マイラ・ガライヤ編
  6:強力な兵器も当たらなければ如何ということもない

(マイラ)
アメルダSIDE

まさかこのアタシが男へ簡単に身体を許すとは……
不覚だった……とは思えない。
アイツ以外の男なんて考えられないと思ってたのに。

だがこのリュカって男は侮れない。
女を口説く能力は一先ず置いといても、自らビルダーと名乗るだけはあってアタシが渡した設計図を基に、簡単に“二連砲台”を完成させちまった。

(リュカ)が整備したと思われるマイラの拠点内に、出来たての二連砲台を設置。
ガロンなんかはそれを見て『うおぉぉぉぉ! これで竜王軍が来てもイチコロだぜぇ!』と喜んでいたが、リュカは小声で『当たらなきゃ意味ねーだろ』と言っていた。

その通りだ。
大砲は、その大きさから固定してでしか使えない。
つまり、着弾点は決まってしまうのだ。

なので今後作る兵器は移動攻撃が出来るのが望ましい。
アタシの乏しい記憶の中に、そんな兵器があったか……?
アイツの頭の中にはあったんだろうけど、奴を頼る訳にいかない。

そんな今後の事を色々考えていると、新兵器に歓喜してるガロン等を余所目にリュカがこっちに近付いてきた。
奴ら(ガロンら)には無いのは勿論だが、アイツにも無かった王侯貴族の様な優雅さで近付く(リュカ)に、思わず目を奪われる……

「さぁて……次は何を作る? 武器? 防壁? それとも……子供?(笑)」
「ば、ばか……な、何言ってんだい!」
流れる様な動作でアタシの腰に手を回し、引き寄せながら瞳を覗き込むリュカに思わず顔が赤くなるのを感じる。

「おいおいおいリュカ! お前(おめー)(すげ)ーのは認めるが、アネゴに変な事をするんじゃねー! 今すぐ離れやがれ!」
「へ、へ、変な事って、な、な、なんだい!!?? アンタこそ変な事言ってるとブッ飛ばすよ!」

リュカの行動を目聡く追尾していたガロンが、昨晩の事を知ってるのかの様に(リュカ)に釘を刺した。
……にしても、アタシの反応は何だ!? 赤面してどもって反論して慌ててリュカから離れるって! まるで乙女じゃないか!

「何だお前……温泉飲みたいのか?」
アタシから離れたリュカが、優しい笑顔でガロンに近付く。
「ち、ち、ち、違う……く、来んな! こっち来んな!!」
『温泉飲む』で通じるらしく、ガロンは慌てて逃げ出した。仲が良いな、あの二人。

アメルダSIDE END



(マイラ)
リュカSIDE

逃げるアホ(ガロン)の事は無視して、アメルダに向き直る。
筋肉だるま(他の連中)には男勝りな接し方だが、俺には乙女チックな態度のアメルダ。
(すげ)ー可愛い。

「それにしても……見た目で判断するのは失礼だが、アメルダが兵器やらの発明に詳しいのは驚きだよ。考えるのだってそう簡単じゃ無いだろうに……」
「ふふふっ……見た目通り苦手だよ。でも昔……ある発明家の手伝いみたいな事をしてたんだ。その時の記憶を絞り出してるだけさ」

「“ある発明家”?」
「ああ……ラライといってね。そいつと一緒に竜王軍を倒そうとしてたんだよ」
『ラライ』と名を言った時、アメルダは寂しそうに遠い目をしていた。

「以前付き合ってた男かい?」
「つ、付き合ってたとか……そ、そんなんじゃないよ!!」
まぁ昨晩が初めてじゃなかったみたいだし、俺は過去の男に拘らない。ただ……

「……アメルダが殺した男かい?」
「……! な、なんでその事を!?」
図星か……

「僕には幸か不幸か、死者の魂が見えるんだ……しかも会話も出来る。アメルダが囚われていた牢屋の前に居たんだ。そして君が“人殺し”だと言っていた」
「……そうかい。アイツは今でもアタシを恨んでいるんだね。まぁ当然だよね」

「まぁ美女に殺されたんだ……殺された側に非があったんだろうね」
「……………」
如何(どう)やらあまりこの話はしたくない様だ。当たり前か……

それに今は会話をしてる場合じゃない様だ。
アメルダが奪い返された事がモンスター中に広まったのか、竜王軍が雁首揃えて襲いかかってきた。
大砲を当てにする気にはならないが、敵軍の仲に一際デカいトロルが居る。

アイツには一撃喰らわしておくか。

リュカSIDE END



(マイラ)
ガロンSIDE

(すげ)ー……
アネゴに手を出した事は許せねーが、やっぱりリュカは(すげ)ー!
大量の竜王軍をほぼ一人で蹴散らしただけじゃなく、あの馬鹿デカいトロルをも簡単に倒しやがった。

竜王軍の中に居た“フレイム”も、通常武器での攻撃が効果ないと解ると、すぐに奴らを操っている“魔道士”に目標を変えて退散させちまいやがった。
戦い方ってのを知ってるって事だろうか?

多少だが戦闘に参加してたベイパーとギエラを労ってると、見ず知らずのヒョロ男が俺等のアジトに迷い込んできた。
不思議に思いながら睨んでいると、慣れた態度でリュカが話しかける。

「お、如何した? お前もこの拠点の光を見て、やってきたのか?」
「あ……は、はい。僕はコルトと言います。遠くガライヤ地方から、この光を目指して彼女と一緒にやって来ました」

「“彼女と一緒”だと?」
「あぁ……地獄の様なガライヤから逃げてきたというのに、ここも筋肉だらけの地獄みたいな場所じゃないですか! 果たしてどちらがマシなのだろうか!?」
ここの方が天国に決まってんだろ!

「おい、俺の質問に答えろ! 彼女と一緒にって言いながら、お前一人じゃねーか! 何だ、彼女ってのは右手の事か?」
「ち、違いますよ! “シェネリ”って言う名の彼女が実際に居ます!」
何所に居んだよ?

「だから居ねーじゃねーかって言ってんだ! 何だ、透明人間か!?」
「そ、それは……途中まで一緒に居たんですが……吹雪で視界が悪くなって……気が付いたら僕一人きりだったんです……」
吹雪で見失っただけか……

「(ボカッ!)あ痛ぁ!!」
「お前、彼女を置いて一人だけで逃げてきたのか!? 吹雪で見失ったのなら、探せば良いだろが!」
リュカの拳がコルトの脳天に落ちた。

アイツ(リュカ)……アネゴのみならず、女には優しいって事が判った。
そして男と女の扱いの差についても……

ガロンSIDE END



 
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