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ドリトル先生と山椒魚

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第三幕その十二

「これは正真正銘のだよ」
「無駄なことだね」
「そうした行いね」
「そしてそんな行いに必死になっている人は」
「何の意味もない人ね」
「人生を無駄なことで浪費しきっていてそれで生計を得ている」
 先生は言いました。
「何と無駄なことか」
「誰の役にも立っていないしね」
「そんなこと書いた本面白い筈もないし」
「無価値な人生だね」
「本当に」
「僕はこんな人にはなりたくないとね」
 その様にというのです。
「思っているよ」
「反面教師だね」
「先生にとって」
「まさに」
「そうだよ、日本に来てそうした人を知って」 
 そうしてというのです。
「ああはなるまいとね」
「思ってだね」
「そして学問に励んでいるわね」
「今の学問を絶対と思わない」
「どんどん進歩するものだと考えているね」
「そうだよ、空想科学というのは学問ではないよ」
 断じてというのです。
「生物学でもダーウィンの進化論を絶対としてもね」
「そこで終わるから」
「そこからさらに学ぶ」
「そうしないと駄目だね」
「カンブリア紀の生きものなんてね」
 この時代の生きもの達のこともお話します。
「かなり独特だからね」
「昔の生物学で語れるか」
「無理よね」
「あの頃の生きもの達も」
「とても」
「そうだよ、出来ないから」
 それでというのです。
「如何に今の学問で全てを語ることが愚かか」
「わかるよね」
「先生が論文を書くのも進歩の為だし」
「ずっと学んでいっているわね」
「そうだよね」
「その通りだよ」
 実際にというのです。
「これからもね」
「そうだね」
「先生はそうした人だね」
「その考えから両生類の論文も書いたし」
「オオサンショウウオの論文もそうするわね」
「人間がわかっていることなんて」
 それこそというのです。
「まさに大海の中のだよ」
「スプーン一杯」
「その程度」
「それ位だね」
「技術も同じだからね」
 それでというのです。
「それで未来をこの世の全てを語るなんて」
「本当に出来ないね」
「それをしたつもりで悦に入っているとしたら」
「本当にどれだけ無駄か」
「何の意味もないことか」
「そうした本を読んで本気で怒る人が多いのは」 
 尚先生は怒っていません、怒らないこともまた先生の美徳です。
「当然だよ」
「そうした考えでいるとね」
「到底認められないから」
「何の意味もないから」
「それじゃあね」
「そうだよ、今の学問で全てを語れるとは思わないことで」
 そしてというのだ。
「技術も然りで未来を描いた漫画やアニメのそれを無理だと言うことは」
「夢を壊すんじゃなくて」
「何の意味もない」
「愚かなことでしかないわね」
「誰の何の役にも立たない」
「漫画とかでの凄い道具があったら」
 それならというのです。
「どうしたら実現出来るかをね」
「考えることだよね」
「そうした方がいいよね」
「今の技術は無理でも」
「どうしたら実現出来るか」
「そこを考える」
「そうした方が遥かにいいよ」
 笑顔で言ってでした。
 先生は次の論文の用意もはじめました、いよいよオオサンショウウオの論文を書いていくのでした。 
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