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神々の塔

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第十話 英雄もまたその三

「上の息子はダークエルフです」
「お母さんの血を引いてか」
「そして下の息子はエルフです」  
 こう芥川に話した。
「そうなっています」
「そやねんな」
「異なる種族が結婚しまして」
「子供が出来るとな」
「どちらかの親の血を強く引いて」
 この世界ではというのだ。
「それで、です」
「どっちかの種族になるな」
「はい」 
 そうだというのだ。
「ここは」
「そうでやな」
「はい、ですから」
 それでと言うのだった。
「上の息子はダークエルフで」
「下の息子さんはエルフやな」
「そうなっています、妹は魔族と結婚しましたが」
「どうなった?」
「娘三人共魔族です」
 そうなっているというのだ。
「これが」
「お父さんの血が出てか」
「そうなりました」
「それがこの世界やな」
「そうなんやな」
「ちなみにです」
 ここでだ、宿屋の親父は芥川に話した。
「ゼウス様ですが」
「ああ、ギリシアの天空の神様やな」
「オリンポスの主であられ」
「めっちゃ好きもののな」
「それでしょっちゅうです」
 そのゼウスの話をするのだった。
「お子が出来たと言われていますが」
「あの神様は変わらんな」
「流石に他の神霊の世界ではされませんが」
 それでもというのだ。
「ギリシアの神界ではです」
「もうか」
「減ら女神の目を盗み」
 そうしてというのだ。
「またしてもという感じで」
「浮気してやな」
「そうしたことになっています」
「あの神様はほんま変わらんな」
「美少年もお好きですから」
 ゼウスはそうした神である、元々ギリシアでは同性愛は普通のこととみなされていてアポロン等もそうした趣味がある。
「ヘラ様もお困りです、ただ」
「ただ?」
「嫉妬はされて怒られても」
 ギリシア神話の常の展開であるがだ。
「浮気相手の方には何もです」
「せんか」
「ゼウス様に怒られるだけで」
「それはええことやな」
「あちらの神々も落ち着かれています」
「ギリシア神話って結構えぐいからな」
 リーは真顔で述べた。
「読んでたら」
「ああ、酷い場面多いな」
 メルヴィルはリーに応えて述べた。
「何かと」
「そやな」
「ついカッとなってな」
 そうしてというのだ。
「大量サイコ殺人とかな」
「あるな」
「神様も酷いけどな」
「人間もな」
「旅したらおるしな」
 まさにそれだけでというのだ。 
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