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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその六十四

「そしてだ」
「彼等はその後で、でしたね」
「経済的に発展していき」
「科学技術を手に入れていきましたね」
「日本は十九世紀後半からでした」
「どちらにしても彼等は瞬く間に技術を手に入れていきました」
「未開の野蛮人達と思っていたが」
 もっと言えば劣等民族、人間ですらないとさえ考えていた。
「しかしだ」
「その彼等がですね」
「独立し」
「そこからでしたね」
「技術を手に入れ」
「さらに発展し」
「我々を超えましたね」
「そうなった、例え我等が極秘にしていても」
 その機械の技術、科学技術と呼ばれるそれをだ。
「その技術は何かしらの形で漏れてな」
「やがて相手が使う」
「そうなるものですね」
「歴史を見ても」
「そうなっていきますね」
「彼等がそれが出来たなら」
 それならばというのだ。
「我々もだ」
「それが出来ますね」
「オムダーマンのその兵器も実用化出来ますね」
「若し連合が開発しても」
「それが出来ますね」
「人間なのだ」
 タンホイザーにしてもエウロパ至上主義であり連合の者達は数だけで劣っていると考えている、だがそれでも人間であることは同じだというのだ。
 そしてだ、同じ人間ならというのだ。
「出来ない筈がない」
「どういった兵器でもですね」
「開発、製造が出来」
「そしてですね」
「実用化も出来て」
「我等のものに出来ますね」
「産業革命の技術は欧州だけのものではなかった」
 即ち白人だけが使えるものではなかったというのだ。
「我々はその技術で無敵の半神とさえ思われた」
「はい、かつては」
「有色人種は白人に勝てない」
「そうも思われていましたね」
「実際に」
「そこまで」
「そうだったが」
 それがというのだ。
「その信仰めいたものはな」
「覆されましたね」
「その有色人種達の手によって」
「他ならぬ彼等の手によって」
「そうなってしまいましたね」
「残念なことに」
「我々はあの時驕っていた」 
 帝国主義時代の自分の先祖達はというのだ。
「間違っても自分達が敗れる筈がないと思っていた」
「有色人種達には」
「何があろうともですね」
「その技術は自分達だけのもので」
「それは覆されないと」
「そう考えていたが」
 それがというのだ。
「今話した通りだ」
「彼等もその技術を身に着けた」
「そのうえで我々を圧倒し」
「今の状況にありますね」
「そうなった、だが我等は一度は圧倒的な技術を手に入れていたしだ」
 その帝国主義時代にだ。 
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