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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその六十二

「それに只でさえ強力な兵器を多く持っています」
「どの兵器も強力です」
「ティアマト級巨大戦艦も脅威ですが」
「新たに出て来たゾロアスター級超巨大戦艦なぞ」
 この兵器はというのだ。
「まるで移動する巨大要塞です」
「あの超巨大戦艦一隻でどれだけの戦力か」
「ティアマト級一隻でこちらの一個艦隊に匹敵する程だというのに」
「あの化けものの様な艦まで加わりました」
「只でさえ恐ろしい脅威だというのに」
「そこに新たな戦力が加わるとな」 
 それこそというのだ。
「鬼の様な」
「まさにですね」
「左様ですね」
「そこまでのものですね」
「鬼に鬼が加わった様な」
「厄介なものです」
「それに対する為にはだ」
 タンホイザーは周りに話した。
「何が必要か」
「そう考えるとですね」
「こちらもその兵器を備えるべきですね」
「敵が持つのなら」
「こちらもですね」
「巨大戦艦は持たないがな」 
 連合軍の象徴であるそれはというのだ。
「それはな」
「左様ですね」
「エウロパ軍にああしたものを造り動かし戦術思想はありません」
「予算や技術の面もありますが」
「それでもです」
「そもそも思想がない、ああした巨大な兵器はだ」
 タンホイザーはそのゾロアスター級超巨大戦艦やティアマト級巨大戦艦という連合軍の象徴について話した。
「速度も遅いし機動性もな」
「どうしても劣ります」
「それはです」
「艦隊の速度を落としますし」
「小回りも利かないので」
「マウス級戦車があったが」
 二次大戦中にドイツ軍が開発しようとした戦車である。
「あの戦車はな」
「巨大過ぎて」
「戦場に投入すら難しかったですね」
「一度だけ投入されたそうですが」
「殆どトーチカの様だったとか」
「あの戦車ですらそうだったのだ」
 それならというのだ。
「それでだ」
「あの様な巨大戦艦になると」
「まさに要塞です」
「全長二十キロあります」
「ゾロアスター級なぞ百キロあるとか」
「そうした兵器を艦隊と共に運用するなぞ」
 それこそというのだ。
「我々にはありません」
「艦隊はあくまで機動力です」
「そして速度です」
「そうしたものがあってです」
「力になります」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「我々はな」
「はい、ああした兵器はですね」
「使わないですね」
「そして技術もないですし」
「予算も」
「あの様な兵器を造る技術はやはりないしな」
 エウロパにはというのだ。 
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