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夢幻水滸伝

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第二百八十九話 チェサビーク湾海戦その三

「今はや」
「掃海艇は用いませんか」
「時間がかかり攻撃を受けるので」
「そうなるので」
「オーソドックスな戦略戦術は大事やが」 
 効果があるからよく用いられるのだ、オーソドックスは平凡と言われ軽蔑され避ける者もいるが基本があってこそであるのは何でも同じである。
「しかしな」
「それでもですね」
「今はですね」
「用いるべきではないですか」
「機雷原の除去で掃海艇はオーソドックスやが」
 この場合のオーソドックスはそうだというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「この度はですね」
「時間がかかり敵の攻撃を受ける」
「そうであるので」
「やらん、ここは敵艦隊の攻撃射程外からな」
 艦隊をそちらに移動させてというのだ。
「そしてそこから機雷原を攻撃するで」
「そうしますか」
「この度は」
「それで機雷を破壊し」
「機雷原を除去しますか」
「そうするで」
 こう言ってだった。
 メルヴィルは敵艦隊から距離を置き自艦隊の攻撃射程の全艦艇が攻撃出来るぎりぎりの距離からだった。
 機雷原を攻撃した、その際艦載機や航空機も用いた。そのうえで機雷原を一気に除去した。そうしてだった。
 機雷原の状況を確認してだ、彼は言った。
「よし、これでや」
「湾に入られますね」
「ああ、そしてな」
 共にニュージャージーの艦橋にいるジェーンに話した。
「先に話した通りにな」
「海流とそれを使って来る機雷に注意しつつですね」
「湾の中ではな」
「東岸部を移動し」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「敵艦隊にな」
「攻撃を仕掛けますね」
「そうするで、湾の入り口は完全に掌握する」
 機雷原を敷かれていたそちらはというのだ。
「そしてな」
「敵が出ることはですね」
「させん、つまり袋の鼠にしてな」
「戦うのですね」
「そや、どれだけ的に海の利があっても」
 そうした海域でもというのだ。
「こうしたらな」
「勝てますね」
「そや」
 まさにというのだ。
「こうすればな」
「そういうことですね」
「ほなな」
 メルヴィルはさらに言った。
「ここはな」
「湾に入り」
「東岸部を進んで行くで」
「わかりました」 
 ジェーンはメルヴィルのその言葉に頷いた、そうしてだった。
 メルヴィルは艦隊を湾に入らせて東岸部を進んでいった、湾の入り口は艦載機を絶えず飛ばし艦艇も置いてだった。
 掌握した、その彼等を観てだった。
 アナポリス近海に艦隊を展開させているホーソーンは艦隊の将兵達に話した。 
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