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ドリトル先生と山椒魚

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第二幕その九

「いつもね」
「実際健康診断の数値もいいよ」
 ジップはこちらのお話をしました。
「日笠さんにもお話してるけれど」
「イギリスにいた時よりもずっと健康だね」 
 トートーも言いました。
「確かにね」
「食生活がよくなったね」
「ええ、お野菜もお肉もバランスよく食べてるから」
 チープサイドの家族は先生の食生活のお話をしました。
「日本に来てからね」
「イギリスよりもずっとそうなったね」
「しかも毎日通学して色々な場所巡って歩いていて」
 ガブガブは運動のお話をします。
「身体も動かしているし」
「イギリスにいた時って基本病院の中にいるだけだったからね」 
 チーチーはその頃の自分達を思い出して言います。
「運動も全くしていなかったよ」
「しかもよく寝てるし」
 ダブダブは睡眠について言及しました。
「そのこともいいね」
「入浴で程よく身体も暖めてるし」 
 老馬はこちらのことを思いました。
「尚更いいね」
「しかも煙草やドラッグもしないし」
「身体に悪い趣味もないからね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「健康な筈だよ」
「精々お酒だけだしね」
「そうだね、しかも規則正しい生活だしね」 
 先生も思います。
「僕は健康だよ」
「時間があって健康」
「これだけで違うわよ」
「何かをするにあたってこれ以上なものはないよ」
「全く以てね」
「そうだね、あと日笠さん凄く嬉しそうだったね」
 先生はこのことは相変わらず気付かないまま言います。
「そうだったね」
「それは当たり前だよ」
「私達いつも言ってるでしょ」
「日笠さんのことはね」
「そうでしょ」
「うん、ただね」
 それでもと言う先生でした。
「案内役も考えてみたら僕はあの動物園は最低でも月に一回は通っていて」
「水族館にも植物園にも?」
「普通の博物館にも鉄道博物館にも」
「美術館にもで」
「図書館はしょっちゅうで」
「だから詳しいつもりだから」
 動物園もというのです。
「それで案内してもらうことは」
「実は必要じゃない」
「そうだっていうのね」
「先生としては」
「そうなんだけれどね」
 こう言うのでした。
「ところがね」
「それがわからないのが駄目なんだよ」
「先生の場合は」
「全く。自分自身についてはそうだから」
「僕達いつもこう言ってるけれど」
「残念なことだよ」
「残念って言うけれどね」 
 先生は論文を書きつつ首を傾げさせます。
「僕にとってはだよ」
「わからないっていうんだね」
「何がどう残念か」
「私達がいつも言っていることについて」
「そうなんだね」
「いつもね、ずっと言われているけれど」
 それでもというのです。 
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