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防空頭巾の血液型

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第二章

「言われてみれば」
「お母さんも私もA型で」
 友希は自分達の血液型の話もした。
「お祖母ちゃんもで」
「ちなみにひいお祖父ちゃんはB型よ」
「血液型おかしくない?お父さんもお祖父ちゃんもB型なのに」
「いや、ひいお祖母ちゃんA型だから」
 母は娘にあっさりとした口調で答えた。
「いいのよ」
「この防空頭巾O型だけれど」
「その頃ってまだ医学が未熟でね」
 母はこのことから話した。
「血液型もね」
「その検査もなの」
「よく間違えてたのよ」
「それでひいお祖母ちゃんもなの」
「そう、それでね」
 そのうえでというのだ。
「この頃の検査と実際はね」
「違ったのね」
「そうよ、それで輸血しても実は違っていて」
 血液型がというのだ。
「血が合わなくて死んだってこともね」
「その頃はあったのね」
「そうみたいよ」
「それは酷いわね」
「ええ、けれどね」
 あらためてだ、朋美は友希に話した。
「ひいお祖母ちゃんの血液型はね」
「A型で」
「それはちゃんとね」
「私達に受け継がれてるのね」
「そうよ、だからね」
 娘に優しい笑顔で話した。
「そこは安心して」
「それでなのね」
「一緒に暮らしていけばいいのよ」
「これまでもそうだったし」
「これからもね」
「そうなのね、それじゃあ」
「ええ、これが終わったら」 
 物置の整理がというのだ。
「お祖母ちゃんお祖父ちゃんにね」
「ひいお祖母ちゃんも入れて」
「それでお父さんも呼んで」 
 そしてというのだ。
「皆でよ」
「お茶楽しむのね」
「お菓子出してね、いいわね」
「それじゃあね」 
 こうした話をしてそしてだった。
 母娘で物置の整理をした、その後で一家でお茶とお菓子を楽しんで楽しい時間を過ごした。一家の休日のほんの一コマである。


防空壕の血液型   完


                  2023・3・21 
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