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夢幻水滸伝

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第二百八十八話 チェサビーク湾入りその十四

「一度じっくりな」
「巨人のことを調べますか」
「そうしたいな」
「そうですね、ほなその巨人達が出て来ても」
「落ち着いてや」
 それは予定外の事態だがというのだ。
「倒してくで」
「わかりました」
 ジェーンは確かな声で応えた。
「そうしていきましょう」
「是非な」
「はい、それでですね」
「ああ、ノーフォークやニューポートニューズを攻略して」
 こうした沿岸部の都市をというのだ。
「ケープチャールズは降ったしな」
「そうした諸都市を攻略してから」
「湾に入りで」
「わかりました、それでは」
 ジェーンは海兵隊に上陸戦の用意を命じてだった。
 自身が率いてそうした都市を攻略していった、そのうえでだった。
 チェサビーク湾の入り口を完全に掌握した、ここでメルヴィルは言った。
「ほないよいよな」
「はい、湾にですね」
「入るで」
 ジェーンに艦内の食堂で共に食事を摂りつつ話した。
「ええな」
「そうしますね、遂に」
「さて、そうするとな」
「絶対に敵艦隊が出てきますね」
「それでや」
「また艦隊戦になりますね」
「そや」
 まさにとだ、チキングリルを食べつつ答えた。
「これからな」
「やっぱりそうなりますね」
「さて、相手は劣勢や」
 メルヴィルは冷静にこのことを指摘した。
「前の艦隊戦で負けてな」
「湾に入ってですね」
「言うなら亀や」
「首を引っ込めている」
「それや、守りに徹してる」
「そうしていますね」
「ただし亀は亀でもな」 
 それでもというのだ。
「ワニガメや」
「あの狂暴な亀ですね」
「そや、ワニガメはそう簡単に諦めるか」
「逆に噛みついてですね」
「反撃してくるな」
「ということは」
「そや、湾で果敢にや」
 ホーソーンが率いる艦隊はというのだ。
「絶対にや」
「戦を挑んできますね」
「そうしてくる、地の利いや海の利は相手にあるしな」
「何しろ敵の本拠地ですね」
「アナポリスが母港でな」
「そこから常に行き来している場所やさかい」
「それでや」
 まさにというのだ。
「あの湾はな」
「相手にとっては完全に自分達の場所ですね」
「文字通りのホームや」
 そう言っていい場所だというのだ。
「あそこはな」
「その湾内で戦うとなると」
「そや」
 まさにというのだ。
「幾らこっちが優勢で空母や潜水艦があってもな」
「油断出来へんですね」
「今回は相手もわかってるしな」
 そのホーソーン達もというのだ。 
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