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ドリトル先生と山椒魚

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第二幕その六

「よくしてくれて」
「これがお仕事なので」
「だからですか」
「そうさせて頂いています」
「そうなのですか」
「はい、ですから」 
 それでというのです。
「これからもです」
「こうしてですね」
「ご一緒させて頂きたいですが」
「お願いします」 
 先生はここでも笑顔になって応えました。
「これからも」
「そう言って頂けますか」
「日笠さんは大切なお友達なので」
「お友達ですか」
「はい」 
 日笠さんににこりと笑って答えました。
「そう思います」
「そうなのですか」
「ですからこれからも」
 悪気なく言う先生でした。
「宜しくお願いします」
「それでは」
「それでなのですが」
 先生はご自身の言葉に内心気落ちした日笠さんにさらに言います。
「実はどうしても見たい生きものがいます」
「今回ですか」
「はい、両生類で」
 こう言うのでした。
「宜しいでしょうか」
「どの生きものでしょうか」
「オオサンショウウオです」
 この生きものだというのです。
「宜しいでしょうか」
「どうぞ、丁度このコーナーにもいますし」
「それならですね」
「案内させてもらうつもりでした」
 日笠さんにしてもです。
「日本そして世界最大の両生類ですからね」
「そうですね」
「あの生きものは外せないですね」
「実は論文でもです」
 今書いているそちらもというのです。
「書いていまして」
「そうなのですか」
「オオサンショウオのことは、そしてオオサンショウウオだけでも」
「論文をですか」
「書こうと思っています」
「そうなのですね」
「貴重な生きものなので」
 だからだというのだ。
「あの生きものだけの論文もです」
「書かれたいですか」
「そう考えています」
「それはいいことですね」
 日笠さんは先生のお話を聞いて明るいお顔で頷きました。
「オオサンショウウオは確かに貴重な生きものです」
「日本では天然記念物に指定されていますね」
「数は少なく」
「生息地域も限られていて」
「その生態もです」 
 こちらもというのです。
「非常にです」
「貴重ですね」
「そうした生きものです」
「僕もそう考えていまして」
「オオサンショウウオ専門の論文もですね」
「書こうと考えていますので」
「両生類の論文だけでなく」
 さらにというのです。
「そちらの論文もです」
「書かれたいですか」
「そうしたいですが日笠さんもそう言われるなら」
 先生は日笠さんに笑顔で応えました。 
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