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X ーthe another storyー

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第九話 風使その七

「私は嫌よ」
「そうですか、では」
「ええ、死なないで」
 哪吒にも切実に告げた。
「そうしてね」
「わかりました」
 哪吒は確かな声で答えた。
「戦いがあろうとも」
「死なないでいてくれるわね」
「はい」 
 庚に答えた。
「そうします」
「お願いするわね」
 庚は哪吒にも話した。
「是非共」
「僕達は一人もですね」
「欠けないで欲しいわ」
「では絶対に生きる様にしますね」
 遊人は笑顔で応えた。
「戦いがあろうとも」
「そしてずっとよ」
「皆で、ですね」
「こうしてお茶も飲んで」
 そうもしてというのだ。
「そして他のこともしていって」
「一緒にですね」
「楽しんでいきましょう」
 こうしたことも話してだった。
 庚は今は友人達と共にお茶とお菓子を楽しんだ、だが仕事の時はだった。
 真剣な顔でだ、都知事に話した。
「本日の予定ですが」
「どうなのかね」
「はい、この様になっています」
「そうか、今日も多忙だな」
 知事は庚に差し出されたそのスケジュールを見て少し苦笑いになって述べた。
「朝から夕食まで」
「はい、ですが」
「これが私の仕事だからね」
「やはりです」
「知事になるとね」
 都知事になると、というのだ。
「これだけの忙しさだね」
「そうですね、では」
「うん、都民の人達の為にね」
「今日も宜しくお願いします」
「この東京をよくする為にね」
「立候補されて」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「当選させてもらったからには」
「それならですね」
「今日も頑張るよ」
「それでなのですが」
 庚は自分の席で話す知事の正面に立ち笑顔で話した。
「今日のお昼ですが」
「食事かね」
「議員の方々とご一緒でしたね」
「都議会のね」
「お料理はカレーで宜しかったですね」
「いいよ、では君もだね」
「ご一緒させて頂きますので」
 こう言うのだった。
「何かあれば」
「頼らせてもらうよ」
「それでは」
 こうしたことも話してだった、そのうえで。
 庚は食事も含めて仕事に励んだ、そして。
 夜は地の龍を束ねる者として働いた、眠るとだった。
 夢に出て来た丁にだ、こう言うのだった。 
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