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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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99

 
前書き
 利通の得意料理を楽しむ一同。 

 

-99 ご飯のお供⑤-

 利通の得意料理のピーマンの肉詰めを食べた一同は、光の一言により利通にかなりの期待を寄せてしまっていた。利通は梶岡という新たな仕事仲間の前で皆の期待に応えようと考えに考えた。

利通「少しお時間を頂けますでしょうか、実は得意なのはピーマンの肉詰めだけではなくて。すぐに作ってきますからごゆっくり。」

 その言葉をかけると『瞬間移動』でどこかへ行ってしまった。
2時間程経過しただろうか、慌てた様子で光の家に戻って来た利通は大皿と深めの中華鍋を持っていた。スパイスの良い香りが辺りに広がる。

利通「お待たせしました、まずはフランクフルトソーセージです。今回は敢えて焼かずにボイルでお召し上がりください。自分で腸詰にしてきました。」

 沸騰しない位に沸かしたお湯にフランクフルトソーセージを入れ、数分間茹でていく。ゆっくりと・・・、ゆっくりと熱を加えていき、ぷかぷかと浮かび上がって来た位のタイミングでお湯から上げた。

利通「自分はいつも何も付けずにおかずや肴にするのですが、今回は横に辛子マヨネーズを添えておきますのでお好みでどうぞ。」

 全員が最初は利通本人がする様に何も付けずに1口、齧った瞬間に口に肉汁が溢れそれだけで白飯を誘う。
 次は辛子マヨネーズを付けて1口、マヨネーズの酸味と辛子の辛味が加わる事で利通は全員の食欲がより増していくのを感じていた。
 ただ、相当な量の米を食べているはずなのに皆の食欲は増すばかりでその勢いは衰える事を知らない。
全員が特製のフランクフルトソーセージに舌鼓を打っている間に、利通は次の料理の準備をし始めた。練りに練り上げた生地の空気を両手で丁寧に抜き、熱したフライパンで焼き始めた。表面にはうっすらとパン粉を付けてある。

利通「では2品目に移りましょうか、光さんのご希望通りハンバーグをご用意致しました、今回はご飯に合う様におろしポン酢でお召し上がり下さい。」
光「凄い美味しそう・・・、何かドーラさんに悪い気がしてきました。」
利通「大丈夫ですよ、これはドーラの大好物でもありましてね。それに今回に至っては光さんが食べると言うと喜んで手伝ってくれましたんですよ。」

 利通は表面のパン粉がうっすら狐色になるまで焼き上げると熱々に温めた鉄板に乗せ、おろしポン酢を横に添え好みの味付けで楽しめる様にした。
 1口食べると表面のパン粉がサクサクとした食感を醸し出し、皆の食欲を誘う。さっぱりとしたおろしポン酢の味も当然の様に手伝い全員白飯がどんどん進んでいった。

利通「さて最後の料理です。」

 そう言うと持参した中華鍋を火にかけた、中身にじっくりと火を加えていくと先程のスパイスの香りが一層強くなってきた。

利通「少し時間が掛かりますのでその間にこちらをお召し上がり下さい。」

 そう言うと、知らぬ間に焼用意していた捏ねの串焼きを差し出した。表面に明太マヨソースをかけて味付けしている。

林田「我が息子ながら相変わらず料理が美味いです、この空気で言うべき台詞では無いと思いますがご飯だけじゃなくビールが欲しくなりますな。」
光「まぁ、今回はご飯が主役ですからね。ただ私もそうなのでお気になさらず。」
利通「さて皆さん、お待たせしました。お気付きの通り、私が得意なのは挽肉料理です。その真骨頂と言っても過言ではないキーマカレーをお召し上がりください。」

 皆が茶碗の白米に利通特製のキーマカレーを乗せ、ご飯を1口。その瞬間、堰が壊れたかのような勢いで白飯を食べ進めていった。

林田「そうだ・・・、良いこと考えたぞ。」

 林田は皿に白米を盛り、その上にまだあったハンバーグを乗せキーマカレーを掛けた。横に赤い福神漬けを添えると、スプーンで食べ始めた。

林田「うん・・・、美味い!!我ながらいい考えだ!!」
利通「父さん、それじゃただのハンバーグカレーだよ。趣旨から外れちゃうよ。」
光「あらあら・・・、林田さんったら・・・。」
 
 

 
後書き
 やはり皆カレーが大好きだ。 
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