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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

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 当日は、やっぱり、乗り換えの駅で待ち合わせをして、ななのちゃんは卒業式に着ていたワンピースで来ていた。だけど、僕がクリスマスの時にプレゼントした靴を履いていた。

 京都駅から歩くのだけど、彼女は僕に腕を絡ませるようにして手を繋いできていた。そして、時々、僕の顔を下から見上げてくる顔がすごく可愛らしかったのだ。

 ななのちゃんはオットセイと京都の海という水槽のマイワシに興味を示していて、ずいぶんとそこに立ち止まっていた。だけど、ずーと僕の手を離さないで、ワァーと声を上げながら見とれていたのだ。

 出てきた後は、お昼を回っていたのだが、清水の坂を歩いてみたいというので、地下鉄に乗って、しばらく歩くのだが四条通を歩いて、途中の洋食屋さんでお昼ご飯にした。

「なかなかフライものはシュウ君に作ってあげれないからね」と言っていたのだ。

 僕は、サラッと僕のことを思ってくれている彼女のことが嬉しかった。だから、ふたりともクリームコロッケと海老フライの定食にしたのだ。

「おいしいー やっぱり レストランはちがうネ」と、ななのちゃんは、ほんとうにおいしそうにほおばっていた。

「あのさー 私 清水寺は入らなくてええねん 行くまでの道をシュウ君と歩きたいだけなんや」

「そうなんか 歩くだけ?」

「うん 歩くだけ 腕 組んで 仲のいい カップルみたいやろー」

「カップルに見えるかなー」

「なんでも ええねん カップルでも お兄ちゃんと妹でも 新婚さんはちょっと無理カナ」

 そして、食べ終えて、八坂さんを抜けて、ぶらぶらと歩き出していた。途中、いろいろな店を覗きながら、彼女も「可愛いね きれいね」とか言っていたももの、それを欲しがる様子も無かったので、僕は、組紐でできた髪留めの飾りを選んで、彼女に買っていた。

「シュウ ありがとう 可愛い」と、その場で髪留めを付け替えていた。その後は、跳ねるように歩いていて

「ねぇ シュウ この辺りを歩いている人の中で、誰が一番 しあわせな気持ちだと思う? それは ななよね」

「そうか それはわかったからー そんなに大きな声で言うと 逃げてしまうよ」

「そうか しあわせは自分だけで感じるものだね だけど、私は シュウにも伝えたい」

「僕は ななのちゃんが しあわせそうな顔をしていると わかるよ」

 そして、帰りに駅に着くときは離れていたのだけど、急に傍に寄ってきて、別れる時に

「・・・いやだ ちゃんってー だからね 私のことを・・ななのって」と、ポツンと言って走って行ったのだ。 
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