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神々の塔

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第八話 生贄の神々その十一

「日本酒とワインはな」
「アルコール度は一緒やで」
「そやったな」
「清酒やとな」
 こちらの日本酒はというのだ。
「これが濁酒やろな」
「アルコール度低いな」
「上杉謙信さんが飲んでたんは」 
 酒好きで知られる彼はというのだ。
「こっちやで」
「濁酒やったな」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「清酒やと」
「ワインと同じ位やな」
「それでな」
「綾乃ちゃんはそっち派で」
「エカテリーナちゃんはウォッカやから」
 それでというのだ。
「ちゃうで」
「日本酒とウォッカは全然ちゃうからな」
 施はビールを口にしてから言った。
「ほんまにな」
「そこはやな」
「比べられんで」
 こう言ってまたワインを飲んだ。
「とても」
「アルコール度倍以上ちゃうかからな」
「ウォッカと比べたら」
 日本酒そしてワインはというのだ。
「十二度とか十三度とな」
「四十度やとな」
「もう三倍以上やん」
 それこそというのだ。
「十五度位のワインもあるけど」
「まあ十一度からな」
「十三度位やね」
「そやな」
 メルヴィルもそれ位だと応えた。
「確かに」
「そやね」
「そのウォッカを樽分空けるか」
 トウェインはビールのジョッキのお代わりを受けつつ言った、そしてそのビールもすぐに飲みはじめている。
「エカテリーナちゃんはかなりやな」
「うちも負けるで」
 綾乃はそれこそと述べた。
「流石に」
「いや、綾乃ちゃんウォッカも飲めるやろ」
 トウェインはそれでもと話した。
「そやろ」
「まあそれは」 
 綾乃も否定せずに答えた。
「出してもらったら」
「飲めるな」
「今かてな」
「ほな飲んでいるか」
 そのウォッカをとだ、トウェインは提案した。
「今から」
「そうしよか」
 綾乃も乗り気で応えた。
「ワインをウォッカに切り替えて」
「ああ、そのうえでな」
「飲んでみるで」
「そうしてみたらええわ」
「じゃあ次からウォッカをお願いします」
 綾乃は女に頼んだ。
「そっちを」
「わかりました、では」
「はい、ウォッカ飲みます」 
 こう言って実際にだった。
 綾乃はウォッカを飲みはじめた、するとストレートでだった。
 ぐいぐいと空けていく、トウェインはそれを見て言った。
「いけるやん」
「水みたいに飲んでるな」
 施はビールをローストビーフをつまみに楽しみながら述べた。 
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