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おぢばにおかえり

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第七十三話 態度が少しその六

「女の人とは」
「そうなんだ」
「はい、生まれてから」
「結構慣れてる感じがするけれどね」
「いえ、全然なんですよ」
 こう杉浦さんに言うのでした。
「これが」
「そうなんだ」
「はい、それにやっぱり相手の人がいいって言わないと」
「紳士だね」
「そうでありたいですね」
「あれっ、新一君女の子のお友達いるでしょ」
 杉浦さんとのお話がどうもわからないので聞き返しました。
「そうでしょ」
「ああ、そこ違うから」 
 白石さんが私に言ってきました。
「千里ちゃんの勘違いだよ」
「勘違いですか」
「そうだよ、まあそのうちわかるよ」
「そうですか」
「確かに女の子のお友達もいると思うけれどね」
「友達は何人いてもいいですね」 
 新一君の言葉です。
「本当に」
「そうだよね」
「ですが一人だけ」
 私を見て言ってきました。
「そうした人がいるべきですね」
「わかってるね、阿波野君も」
「そうですか?」
「そう、大事にしてあげるんだよ」
「そうさせてもらいます」
「千里ちゃんもね」
 今度は私に言ってきました。
「阿波野君を大事にするんだよ」
「後輩としてですね」
 私はこう考えました、というか他に考えが及びません。
「そうすべきですね」
「まあ今はそう思っていてね、阿波野君に度胸がついたら」
「その度胸はとても」
 また新一君が言ってきました。 
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