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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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91

 
前書き
 空からの来客が来る。 

 

-91 空からの来客-

 宴が続く中、月の輝く星空から大声が響き一同を騒然とさせた。

声「この私を差し置いて、皆さんだけでお楽しみとは何事ですか?」
光「な・・・、何?!」

 全員が飲食をやめ空を見上げた、見覚えのある1頭のコッカトリスが3人のホークマンを連れて地上へとゆっくりと舞い降りた。背には軽装の男性が2人乗っている。林田が逃げる様にして家の中へと駆けこむ。

林田「ま・・・、まずい・・・。誘うの忘れていた。」

 舞い降りたコッカトリスが背に乗っていた2人を降ろし人の姿へと変わる、ダンラルタ国王であるデカルトだ。横にはホークマンである甥っ子と姪っ子が3人共揃ってお出まししている。姪っ子が背から降りた男性と軽くキスを交わす。甥っ子達はウェアウルフと取り皿を持ち、焼肉を取りに行こうとしていた。

デカルト「2人も乗せていたから疲れましたよ、と言うかのっちはどこですか?」
ネスタ「のっち・・・?ああ、ウチの旦那ですね。さっき家の方に走って行きましたよ。」
デカルト「奥さん、かしこまらないで下さい。我々はもう友達ではないですか。」
林田「そう仰って下さると助かります!!」
デカルト「またそうやってかしこまる、やめろと言っただろのっちー。」
林田「人前だから、それにのっちはダメだって。」

 2人のやり取りを数人の女性がヒヤヒヤしながら聞いていた、1国の王に何たる態度を取っているのだと言わんばかりに。その内の1人であるドーラが質問した。

ドーラ「お義父さんと国王様、いつの間にそんな関係に?」
デカルト「これはこれはいつぞやの受付嬢さんではありませんか?まさかのっちの娘さんだったとはね。」
林田「たった今俺の息子と結婚したんだよ、だから義理の娘ね。」

 横から聞き覚えのある女性が口の中で黒毛和牛をモグモグさせながら声を挟んだ。その声には光も懐かしさを感じている。

女性「じゃあ私達と一緒で新婚さんって訳だ。」

 声の正体は先程キスを交わした女性ホークマン・キェルダだ。

光「キェルダ!!久しぶりじゃない!!」
キェルダ「ついさっき新婚旅行から帰って来たのよ。」
光「えらく長めの新婚旅行だったのね。」
キェルダ「あんたは暫く仕事を休める位稼いだみたいじゃない。」
光「流石、言ってくれるじゃん。」
2人「あはは・・・。」

 2人が談笑している中、バルタンの兄・ウェインとホークマンの弟・マックがビール片手に肉が焼けるのを待っている。隣にはキェルダの夫となったニコフも一緒にいる。

マック「こんな黒毛和牛の塊なんてなかなか拝めないぞ。」
ウェイン「焼き上がりが楽しみだな、匂いだけでビールが進むぜ。」
御厨「ほらニコフ、俺からの新婚祝いだ。たんと食ってくれ。」
ニコフ「ありがとうアーク・ジェネラル、頂きます。」
光「板長さん、かっこいい事言ってるけどそのお肉を買ったのはあくまでこの私なんですからね。」
御厨「こりゃ1本取られましたな、ははは・・・。」

 その横で結愛とネスタがそれぞれバラ肉を数か所外してヤンチに渡した。2人共呑みながらなのに見事な解体作業だ。

結愛「豊かな脂が美味なバラ肉に参りましょうか、まずは前バラ(肩バラ)です。私や光さんの生まれた世界のある地域で人気のお肉です。」

 前バラは広島の焼き肉屋で「コウネ」と言う名前で大抵のお客さんが注文する人気部位だ。

ネスタ「次は三角バラです、霜降りが綺麗で脂に甘みのある部位です。」

 ヤンチが焼肉の形に整形していき御厨が網の上で焼いていく、豊かな脂がお目見えし食欲をそそった。1口食べた3人はビールと白米を勢いよき口に流し込んだ。
 
 

 
後書き
 牛1頭分が無くなるのも時間の問題か。 
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