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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその三十四

「首都星系はまさに首、生あるものは首なくして生きられないが」
「首だけでもですね」
「生きていられないですね」
「それだけでも」
「それは無理ですね」
「そうだ、国家も首都がなくては動けないが」
 それでもというのだ。
「首都だけではだ」
「生きられないですね」
「それも大国ならば」
「それなら余計にですね」
「そうなる、だからだ」
 それ故にというのだ。
「首都星系だけにするとな」
「最早ですね」
「戦えないですね」
「そして生きてもいけないですね」
「そこまで進めたい、さらにだ」
 さらにと言うのだった。
「短期にだ」
「まさに短期決戦ですね」 
 アタチュルクも言ってきた。
「この度の戦いは」
「そうだ、時間をかけずな」
「そうしてですね」
「徐々にではなくな」
「一気に」
「そして進めていってだ」
 そうしてというのだ。
「敵に回復の時間を与えない」
「そうしますか」
「当初の考え通りな」
「それでは」
「これからもその様に進めていくが」
 ここでだ、アッディーンはこうも言った。
「若し諸君たちの前にシャイターン主席が来ればな」
「その時はですね」
「退くかだ」
 若しくはというのだ。
「最初からだ」
「戦わないことですね」
「そうだ」 
 そうしろとだ、アッディーンはアタチュルクだけでなく他の者達にも話した。それは実に強い口調での言葉だった。
「守りを固めるなりしてだ」
「決してですね」
「倍の戦力でもだ」
 それだけの戦力があってもというのだ。
「戦ってはならない」
「退いてもですね」
「いい」
「とかくですか」
「シャイターン主席とはだ」
「決してですね」
「戦ってはならない、彼の乗艦シャハラザードを発見すればだ」 
 ティムール軍の総旗艦であるこの艦をというのだ。
「その時はだ」
「退く」
「若しくは守りに徹してだ」
 そしてというのだ。
「戦わないことだ」
「それが大統領の指示ですね」
「そうだ、彼の相手はだ」
 あくまでというのだ。
「私だ」
「主席と戦えるのは大統領のみ」
「彼は豹だ、豹と戦えるのはだ」
 それはというと。
「獅子のみだ」
「赤き豹には青き獅子」
「即ち私だけだ、諸君等もだ」
 アッディーンは今度は司令官達に問うた。 
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