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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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89

 
前書き
 夜が更けようとしている。 

 

-89 宴はまだ続くが-

 裏庭にLEDによる照明を備えている林田家ではまだまだ解体しながらのBBQが続いている、全員飽きないのか箸が止まらない。

御厨「先程結愛さんが取り出したサーロインのステーキが焼きあがりました。」

 御厨が網の上で1口サイズに切っていくと全員が舌鼓を打ち、先程結婚したばかりの利通とドーラには厚めに切った1枚肉が渡された。

利通「飲み込むのが勿体無い位に・・・。」
ドーラ「咀嚼するのが嬉しくなる位に・・・。」
2人「美味しすぎる!!」

 ただ全員脂がくどくなってき来たのか、気分を変える為にネスタが解体したての牛肉を片手に提案した。

ネスタ「赤身の美味しいもも肉にしましょうかね、脂が少ないから食べやすいはずだよ。」
結愛「じゃあ私の方から、ランイチ(ラム)です。ランプとイチボに分けてお召し上がり頂きます。」

 結愛が牛筋を境にイチボとランプに分けると受け取ったヤンチがイチボは焼き肉に、またランプはステーキにしていった。
 今更だが、サラダとかは挟む必要は無いのだろうかという疑問を抱いてしまったガイ含む数名が気を遣い水洗いしたレタスや胡瓜、そしてトマトを使ったサラダを用意した。さっぱりと楽しめる様にドレッシングは青紫蘇の物を選んでいる。
 光は口の中が脂で一杯になっていたので一応ビールで流し込んでいたのだが、気分的にさっぱりとした物を挟みたかったのでサラダを1皿受け取ると一気にかきこんだ。
 
ネスタ「続いては内ヒラ(内もも)だよ、これは少し時間が掛かるけどローストビーフにしようかね。今から作るからその間結愛さんお願いね。」
結愛「分かりました、師匠!!」

 いつの間にか大企業の社長である結愛に「師匠」と呼ばせているネスタ、この事には林田が少し焦りを見せたが結愛は当たり前の様に呼んでいる。どうやら牛の解体技術はネスタから学んでいる様だ。
 そんな中、大量の牛筋が解体や整形の間に出てきたので御厨がこっそり仕掛けていた出汁に醤油等と一緒に入れて特製の牛筋煮込みに仕上げていくと瞬く間に殆どが無くなってしまった。それと同時進行でビールも無くなってきたので光が『瞬間移動』で自分の家の地下にある大型冷蔵庫からありったけの缶ビールを持参し、皆で呑み始めた。
 林田は牛筋煮込みを食べながら涙ぐんでいた。

林田「この優しい味付けがビールに合うな・・・、米にも合いそう。」
御厨「警部さん・・・、良かったら小さめの丼にしてみましょうか。」
林田「宜しいのですか?!」
御厨「実はガイさんからお米を頂きましたのでお釜で炊いていたんですよ、もうすぐ蒸らしが終わるので炊き立てご飯で御作りさせて頂きますよ。」

 御厨がお釜の蓋を開けると日本人が大好きなあの香りと共に炊き立ての白米がお出ましした。杓文字で返すと微かにおこげも見える。

林田「絶対合いますよ、ああ・・・、待ちきれない!!」

 板長は若干小さいが深めの茶碗に湯気のたつ白米を少しよそうとまずはその炊き立ての味を林田に楽しませた。

林田「ああ・・・、日本人で良かったとしみじみ思いますよ。米の美味さで感動できるなんて幸せだなぁ・・・。」

 御厨は林田が空けた茶碗を受け取ると白米をまたよそい、そこに牛筋煮込みをかけて提供した。

御厨「いかがでしょうか?」
林田「この濃い目の味付けが嬉しいですね、どんどん米が進みますよ。」

 それを見ていたメイスといつの間にか参加していたナルリスが林田に食らいついた。ただ、メイスは酔っている。

ナルリス「あっ!!警部さんだけずるいですよ!!」
メイス「この私を差し置いて何食べているんですか!!」
御厨「ははは・・・、まだまだありますからどうぞ。」
 
 

 
後書き
 ビールに合う物はやはり米にも合う。 
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