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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその二十八

「是非だ」
「この度のことをですね」
「機としてだ」
 このことはというのだ。
「戦う」
「そうされますか」
「そしてだ」
 そのうえでとだ、アッディーンはシンダントにさらに話した。
「勝つ」
「それが閣下の今のお考えですね」
「政治は犠牲を払ってもな」 
 例えそうであってもというのだ。
「それでもだ」
「その犠牲はですね」
「最小限だ」 
 それで収めてというのだ。
「得るものは最大だ」
「出来るだけ多くのものをですね」
「そうしたものであるからだ」
 だからだというのだ。
「この度はだ」
「是非ですね」
「そうだ、シャイターン主席がいないことはだ」
「活かしていきますね」
「シャイターン主席と互角の戦力で戦えるのは私だけだ」
「その為です」
 今度はラシークが言ってきた。
「先の二度の会戦では」
「多くの犠牲を払ったな」
「はい」
 まさにとだ、ラシークはアッディーンに答えた。
「二度の会戦共その損害は」
「七割を超える損害を出した」
「これはティムール軍もですが」
「その損害はな」
 まさにというのだ。
「かなりのものだった」
「はい、まことに」
「そして決着はつかなかった」
「そのことを考えますと」
「シャイターン主席と互角の戦力で戦うことはな」
 このことはというのだ。
「出来る限りだ」
「しないに越したことはないですね」
「そうだ」
 まさにとだ、アッディーンはシンダントに答えた。
「若し連合軍ならな」
「あの軍隊ならですね」
「何倍もの戦力を出せるが」
「我が軍は」
「そこまでは出せない、出せてもだ」
 例えティムール軍より多くの戦力を出せてもというのだ。
「二倍近くだ、その程度しかだ」
「出せないですね」
「それ位しか出せない」
 どうしてもとだ、アッディーンは話した。
「だからだ」
「それ故に」
「決定的な戦力差を用意出来ない、しかもな」
「そのティムールより多くの兵は」
「予備戦力に置いている」
 これは今もだ、アッディーンはいざという時に備えて予備戦力を置いてそのうえで戦っているのだ。
「そうしている」
「左様ですね」
「予備戦力も」
 これもというのだ。
「言うまでもないな」
「どうしてもです」
 シンダントも答えた。
「必要です」
「若しそれがないとな」
「どうしてもですね」
「いざという時に何も出来ない」
 予備戦力、それがなければというのだ。 
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