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X ーthe another storyー

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第八話 記憶その五

「そうしてな」
「私もなの」
「どないや」
「私も貴方も生きているなら」
 嵐は空汰よりも自分が死ぬと思っていた、そう考えていたのでそれで彼に対してこう答えたのだった。
「いいわ」
「ほなそうしよな」
「ええ、けれど皆何かあるわね」
 嵐はこうも言った。
「天の龍の人達は」
「そやな、多分譲刃ちゃんもな」
 彼女もというのだ。
「いつも明るく笑ってるけど」
「過去にはなのね」
「何かとね」
 それこそというのだ。
「あった筈や」
「そうね」
「まあそこは聞かんけどな」
 空汰は遠い目になって述べた。
「聞くことやないからな」
「あの娘に心の傷があるかも知れないから」
「それでや」
 まさにというのだ。
「わいからはな」
「聞かないのね」
「そうしてくわ」
「いいことよ、では今から」
 嵐は冷静な声で述べた。
「宿題をするわ」
「ああ、学校のか」
「予習と復習もね」
「そうしたこともかいな」
「学業は怠らないから」  
 だからだというのだ。
「しておくわ」
「クランプ学園に通ってるさかいな」
「貴方もそうね」
「護刃ちゃんは中等部でな」
「そうしているから」
 だからだというのだ。
「今からね」
「宿題してか」
「予習と復習もね」
 その両方をというのだ。
「するわ」
「そうか、ほなわいも宿題位はな」
「しておくのね」
「基本授業だけでわかるさかいな」
 そこで聞いてというのだ。
「特に勉強はしてへんけどな」
「予習と復習はしないのね」
「それでそれなりにやっていけたし」
「高野山でもなの」
「あっちの学校に通ってたんや」
 東京に来るまではというのだ。
「それで今はな」
「クランプ学園に転校して」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「今はそっちに通ってるから」
「それでなの」
「それでや」
 まさにというのだ。
「そっちの宿題もな」
「するのね」
「そうするわ、けど予習復習はな」
「授業でわかるから」
「ええわ」
「そうなのね」
「ほな晩飯の用意するか」
 空汰はこうも言った。 
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