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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝

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第31話 三羽烏配下になる

賊退治を終えた私達は、1週間程この村に滞在することになりました。

村人達は村の再建に汗を流しています。

私達と楽進、李典、于禁も陣頭に立って頑張っていました。

ここ数日で、再建作業も起動に乗って来ているみたいです。

私が怪我人を治療したことで、怪我人の面倒を看る必要がなくなり、再建作業に集中できたことが多きいようです。

今日は暇ができたので、麗羽、揚羽と李典を連れ立って森があった場所にいます。

再建は私達以外と村人達に任せています。

ここに来た理由は、揚羽と李典に火縄銃を見せるためです。

「これがこの前、話していた武器だよ」

私は、荷物から火縄銃を取り出し、揚羽と李典に見せました。

「へえ、これかいな。これはどうやって使うん?」

「これがこの前仰ていたものですね。初めて見ました。これはどのように使うのですか?」

2人は各々にどう使用するのかと聞いてきました。

「こうやって使うのさ」

私は火縄銃を撃つ準備を手際良く行いました。

私も7歳の頃から、火縄銃を研究しているので、扱いは堂が入っています。

麗羽も私には及びませんが、火縄銃の扱いは問題ありません。

私は準備を終えると、的を探しました。

空に鳶が飛んでいるのを確認すると、私は鳶に照準を合わせました。

「揚羽、李典。見てな。今から、あの鳶を撃ち落とす」

「あれをですか?かなりの距離だと思いますが・・・」

「そやな・・・。あんな場所、弓でも落とせんとちゃう」

2人は半信半疑の様です。

私は2人の言葉に応えず、鳶に向けて弾丸を放ちました。

バアーンーーー

火縄銃の発砲音が鳴ると共に、鳶が地面に向けて落ちて行きました。

「「なっ!」」

2人とも発砲音と同時に鳶が落ちたことに驚いたようです。

私の火縄銃の腕前はどうです。

「ホンマに撃ち落としおった!劉ヨウ様凄いやん!その絡繰りの構造どうなってんの」

李典は目をキラキラさせて、私が手に持つ火縄銃を見ています。

目論み通りです。

絡繰り好きの李典は、予想通りこの火縄銃に興味を持っています。

揚羽は驚いていましたが、私が李典を取り込もうとしていると察したかの何も言いませんでした。

「ああ、構わないよ。私は絡繰りが大好きなんだ。だが、私は手先が器用な方ではないんだ。設計と組立は私が自分でしたんだけど、部品に関しては、鍛冶屋に作らせたんだ。それで、私は絡繰り好きで、絡繰りの才能高い人物を探していたんだ。李典、君が良ければ、私に仕官して、一緒に洛陽に来ないかい。洛陽に帰るのは、今、旅の途中なので、もっと後になると思う。どうかな。考えて貰えないかな?」

「へぇ、凄いやん。手先が不器用で、これだけのもんを作れるやろ。絡繰りへの愛を感じるで。劉ヨウ様、ええよ。仕官したるよ。洛陽は大陸の中心やし、珍しいもの仰山あると思う。こちらこそ渡りに船や。ウチの真名は真桜や。よろしゅうお願いします」

真桜は頭を下げてきました。

「本当かい!ありがとう!ありがとう!同じ絡繰りを愛す同士が出来て感激だよ!私の真名は正宗だ。よろしく頼むよ!」

真桜が仕官してくれたことに感激して、真桜の両手を握り、ブンブンと上下に降りました。

「そんなに喜ばれると恥ずかしいわ」

真桜は照れながら言いました。

「ちょと、待ったのー!」

私と真桜が仕官の瞬間を喜んでいるときに、それを破る声が聞こえました。

私達が振り向くとそこには于禁が居ました。

于禁に後には、楽進がすまなそうに控えていました。

彼女達はいつから居たのでしょうか?

火縄銃は真桜だけに見せて置くつもりでしたが・・・。

見られた以上、仕方ないでしょう。

彼女達を仕官させる計画でしたし、私に仕官してくれるのなら口封じは必要ないです。

彼女達は正規軍ではなく、私がいずれ創設する諜報組織の方に配置するしかないです。

諜報組織といっても、諜報活動も担いますが、別に諜報専門という訳でないです。

組織の中に、最新兵器の扱いに慣れた部隊も作るつもりです。

于禁が少し心配ですが・・・。

まあ、何とかなるでしょう。

「真桜ちゃんだけ、狡いのー。私も洛陽に行きたいのー」

「劉ヨウ様、申し訳ありません。聞くつもりは無かったのです。真桜を探していたら、轟音が聞こえて、急いで向かった先に皆さんが居らして・・・」

于禁は一旦無視です。

楽進は火縄銃を撃つところは見ていないようです。

でも、火縄銃は見られた訳ですから、彼女達は諜報組織に所属させるのは決定です。

「そうか、于禁。じゃあ、君も洛陽に来るかい。ただし、私に仕官してくれるのが条件だよ」

「劉ヨウ様、分ったのー。仕官すればお給金貰えるんですよね」

ちゃっかりしています。

洛陽に戻ったら宮仕えをするつもりだったので、大丈夫でしょう。

それに袁逢殿にいただいた金があるので、この旅の間に支払う給金も問題ないと思います。

袁逢殿の餞別を貰っておいて正解でした。

「そや、正宗様、ウチも給金貰えるやろ」

くっ!

于禁・・・、お前の所為で・・・。

「あ、ああ、問題ない」

「やったのー。村に居ても欲しい物買えなかったけど、これで買えるのー。何にしようかなー」

「沙和、それよりまず正宗様に挨拶やろ!お世話になるやから、ちゃんとせなあかん!」

真桜が皮算用をする于禁に注意しました。

「あっ!そうだったのー。劉ヨウ様、私の真名は沙和なのー。よろしくお願いしますなのー」

「こちらこそよろしく。私の真名は正宗だ」

「わかったのー、正宗様」

「劉ヨウ様」

「うん?」

振り向くと楽進が神妙な顔で私を見ていました。

「一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、構わないよ」

「正宗様は何故、真桜や沙和を仕官されたのでしょうか?」

何故、仕官させたか聞きたいのでしょう。

彼女にしてみれば皇族が戦闘能力が高いとは言え村娘を仕官させるなどおかしいのでしょう。

穿った見方をすれば、伽の相手として仕官させたとでも思っているのかもしれないです。

楽進も仕官させるつもりなので、ここは真摯に応えないといけません。

「それは来る動乱の為だよ。動乱になれば人材は幾ら居ても足りない」

「動乱?」

楽進は私の答えが予想外だったようです。

本当に、私が真桜と沙和を伽の相手にさせようとしていると思っていたようです。

私は女性を無理やり手込めにするような鬼畜ではないです。

元日本人の小市民の私にそんな真似できるわけないでしょう。

全く、心外です。

「そう動乱だ。この前の賊は規模が多かったと思わないか。今までの賊の規模は、精々数十人、多くて数百人。賊の数が多いということは、それだけこの辺りの治安が悪いということだ。これがいずれ大陸全体に広がる。そして、世が乱れる。私はそのときに、力無き民を守る剣であり、盾である為にこうして旅をして人材を探している。真桜に関しては、絡繰りが得意な人物が欲しかったというのは嘘ではない」

私は楽進の目を見て、話せることを話しました。

「申し訳ありませんでした。私は」

私は楽進の言葉を制止しました。

「構わない。友を思っての行動だろ。その程度のこと、私は気にしないよ。それより、楽進、私に仕えてくれないかい?」

私は楽進は私の顔を真剣に見ていました。

「私でよろしければ、陣営の末席にお加えください!私の真名は凪と申します」

決意を決めた楽進は私に対し、片膝をつき拱手して頭を足れました。

「よろしく頼む。私の真名は正宗だ」

良いです!

私は猛烈に感動しています。

これが主従の契りというものです。

沙和の軽薄な感じと、楽進は違います。
 
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