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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

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2-6

「シュウ君 ななナァー 旅行行かへん お留守番してるって言ったんや そしたら お母さん そうって言って なんか ほっとして 喜んでるみたいやったでー じゃまもんおらへんからなー」

「えぇー そーなんかぁー ななのちゃん それでいいんか? お母さんと・・一緒でなくて」

「うん 今のお母さん嫌いやぁー ええんやー シュウ君と一緒のほうが・・」

「あのさー 僕の実家に一緒に行こうか? 木之本という所 なんにも楽しめるとこ無いけどなー」

「ウン 行く! ええのぉー?」

「あぁ しかたないやろー ななのちゃんと 二人っきりってわけにいかんからなー」

「なんでー あかんのかーぁ」

「あかん お嫁入前やし」

 僕は、電車の切符をななのちゃんに渡しておいたので、次の駅から乗ると言ってあった。電車に乗り込むと、彼女は珍しくタイトなスカートで来ていた。だけど、乗り換えの駅まで話し掛けないという約束だったから、眼で合図しただけで、お互い知らんぷりをしていたのだ。

 乗り換えて、隣同士で座っていたけど、緊張しているような感じで、ななのちゃんは窓の外を見ていて言葉少なげだった。

「ななのちゃん めずらしく、今日はスカートなんだ」

「うん お出掛けだからネ 気分変えた」

 駅を降りて20分ほど歩くのだけど、例の帽子をリュックから取り出して、被った
と思ったら、僕の手を握ってきて歩き出していた。

「なな あんなに 長いこと 電車に乗っていたのって 初めてかも でも、畑や田んぼばっかーなんだね」

「そーだなー 田舎だからな この辺りはもっと田舎だよ」

「そーだね シュウ君もこんなとこで育ったんだ」

 僕の実家に着くと、倉庫で二つ上の兄貴とそのお嫁さんが作業していた。実家は椎茸農家で、おそらく乾燥椎茸の作業をしていたのだろう。最初に、僕達の姿を兄貴が見つけて

「おう 秀 あっ お嬢ちゃん こんにちわ 暑かったろー」と、後ろから、嫁さんの かがみさんも出てきていた。

「こんにちわ お世話になります ゆきむらななのです」と、帽子を取って挨拶をしていた。

「こんにちわ まぁ 秀君 可愛らしいガールフレンドね」と、

 かがみさんは僕の高校の時の同級生で、去年、兄貴と結婚して、同じ敷地内に新居を建てて、実家の椎茸農家を手伝っているのだ。だから、僕は、高校の時のことがあるので、ちょっと苦手なのだ。

 そして、母屋に行って、僕の父母に紹介して・・・僕は、予め事情を説明しておいたから、それなりに受け入れてくれていた。

「ななのちゃん なんにもないところで面白くないでしょうけどね 夕方になったら、お風呂に入って 浴衣着せてあげる 近所で借りてきたの ウチは男の子ばっかーだったから」と、扇風機の風をななのちゃんに向けながら、母は苺の洗ったのを勧めてきていた。

「えー そんなのー」と、ななのちゃんは僕のほうを向いて「いいの?」と、問いかけているようで、僕は、うなずいて見せていた。

 それからは、ななのちゃんは庭に向かって、絵を描いていたのだ。

「想い出だからネ 残しておきたいの」
  
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