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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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83

 
前書き
 突然現れた女性とは。 

 

-83 身に覚えのある件-

 バルファイ王国魔学校にて、女性の声を聴いた瞬間義弘の体が硬直していた。同時に何故か林田警部がブルブルと震えている。結愛は身に覚えのある場面だなと思っていたが、今は考えない事にした。ただ義弘が狼狽えている事は間違いがない。ただどうして林田も震えているのだろうか。
しかし、義弘と林田警部を同時に震わせる程の言葉を言える者がこの世界にいるのだろうかと振り向くとそこには林田警部の妻、ネスタ林田がいた。

ネスタ「希さん、実は『連絡』が使えるのは転生者のあんただけじゃないのさ。ただのドワーフの私にだって余裕で出来るんだよ。私を舐めないで頂戴。」
林田「そうか・・・、でもあっちの世界にお前の知り合いがいるのかい?」
ネスタ「何を言ってるさね、あっちの世界の事を全く知らないフリをしてたけど実は知り合いが沢山いるのさ。それに私ゃこの世界におけるこの会社の筆頭株主だよ、嫌な予感がしてあっちの世界の株主である宝田さんに聞いたらこんな事になっている訳さね。さて、本題に戻ろうか。義弘、あんたの勝手な行動を決して許す訳には行かないよ。3国における平和協定まで破ってこの会社を奪い返してどうするつもりだったんだい?」
義弘「愚かな馬鹿娘が下らん教育機関などに使い込んだ私の金を取り戻そうかと。」
ネスタ「何が下らないって?あんたの言う「愚かな馬鹿娘」が教育機関を支持することによって貝塚財閥はお金以上に大切な物を得たんだよ、あんたによってこの会社が失った「信頼」だ。私が何も知らないとでも思ったかい?この世界でのクァーデンとの贈収賄の事も、そしてあっちの世界の貝塚学園での独裁政治っぷりもね。今あんたがしている行動も含めたらもうあんたは重罪人さ、どっちがお馬鹿さんなんだか誰だって分かるよ!!私の旦那の仲間は私の仲間だ。だから私は筆頭株主として結愛社長に味方する、決してあんたを認めないからね!!」
義弘「言ってくれるじゃねぇか・・・、でもこうしてしまえば済む話だ!!」

 義弘が結愛に向けて大きな火の玉を飛ばしたが、別のより強力な魔力によって弾かれた。

義弘「何が起こった!!私は大賢者だぞ!!」
リンガルス「義弘、黙って様子を見ておけば・・・、いい加減にしろ!!俺はお前に罪を犯させる為に魔術や催眠術を教えたつもりはないぞ!!」
義弘「り、リンガルス・・・、貴様・・・、上司たる私を裏切る気か!!」
リンガルス「お前は私の上司などではない、私の上司はこちらにおられるクランデル魔学校長と貝塚理事長だ!!魔学校長、アーク・ビショップ様、大変申し訳ございません。」

 リンガルスがいつの間にか2人の拘束を解いていた。

義弘「ただ俺達は一緒にクァーデンから賄賂を受け取った仲だろうが!!」
林田「これの事か?」

 リンガルスが持っているはずの封筒を何故か林田が胸ポケットから出した。

林田「リンガルスと魔学校長には私から連絡を入れてあんたの仲間と被害者の演技をする様に頼んでたんだよ。特にリンガルスと私は警察の同僚でね、あんたから魔術の指導等を頼まれたと聞いた時、こちらの作戦に協力をお願いしたんだ。今頃、リンガルス警部の部下によって贈収賄の罪でパントリー・クァーデンが逮捕されているだろうよ。リラン・クァーデンが入学すると聞いてパントリーが何かしらの動きを見せると思ってリンガルスに潜入をお願いして正解だったな。」
リンガルス「勿論お前の意志によって書き換えられたと言ってもいいこの2つの書類は受理されていない、首席入学者は予定通り「梶岡浩章」だ。ただリラン・クァーデンには罪はないから一般入学者として入学を許可するつもりだが本人が望むかどうか。」
林田「まさか梶岡が一瞬だが犯人グループの一員としてこちらを襲ってくる事は誤算だったな。しかし、捜査に協力をお願いして無罪放免とさせてもらった、被害者がいた訳でもないしこちらにも非があったからな。
さてと・・・、監視カメラの映像を含め、証拠が十分に挙がっているんだ。」
林田・リンガルス「貝塚義弘、脅迫罪及び贈収賄罪、侮辱罪、魔力戦闘罪、そして「3国間戦争撲滅平和協定」違反で逮捕する!!」
リンガルス「俺が与えた魔力と魔術を悪用した上に散々こき使いやがって、待ってろよ。すぐに豚箱ぶち込んでやるからな!!」
義弘「ち・・・、畜生ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 リンガルスの部下が4人がかりで義弘をパトカーに押し込むとバルファイ王国警察署に向かって行った。
 その頃、光はネフェテルサ王国のレースコース横に設置された観客席ではレース裏で起こっていた大事件に硬直しながらビールを呑んでいた。そんな中、カバーサの声が響いた。

カバーサ「えっと・・・、色々ありましたが今年のレースの確定をお知らせいたします。1着⑨番、2着⑮番、3着⑥番、以上でございます。ご観覧の皆様、本日までお疲れ様でございました。ご来場心よりお礼申し上げます。」
光「やったー、当たったー!!今夜は呑むぞーー!!」
 
 

 
後書き
 光はいつでも相変わらずだった。 
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