博麗神社が幻想郷入り【完結】
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魔理沙と霊夢が、不思議な少女の亡骸を抱き寄せた。
前書き
魔理沙と霊夢が、不思議な少女の亡骸を抱き寄せた。霊夢は魔理沙に「今日は一緒に寝ましょうか」と誘い、しばらく無言のまま見つめ合った。魔理沙が顔を赤くして恥ずかしそうにしている様子を見て霊夢も顔を赤くした。
「ほら、いい加減に離れないとぶっ飛ばすわよ」
「はいはい」
魔理沙は霊夢から離れると、浴槽につかる。
「なぁ、霊夢。どうしてこんなに急に態度が変わったんだ?」
「別に変わらないわよ。ただ、貴女と一緒にいるうちに、だんだん好きになっていっただけ」
「そっか。なんか照れるな」
「そうでしょ。私もすごくドキドキしているんだから」
霊夢は自分の胸を押さえながら魔理沙の顔を見る。魔理沙も顔を真っ赤にしていた。「な、何だよ。いきなりこっち見るなって」
「顔が赤いぞ」
「お前が見ているせいだろ」
「私の方を見てもいないくせによくそんな事が言えるわね」
「……」
「可愛い奴め」
「う、煩いわね。それより、そろそろ上がりたいんだけど」
「そうだな。私も上がるよ」
「なら、一緒に入る意味ないじゃない」
「いいだろ。せっかくなんだからさ。たまには二人で入ろうぜ」
「もう、仕方がないな」
霊夢は苦笑いすると、魔理沙に続いて湯船から出た。
「なぁ、霊夢。一つ聞いてもいいか?」
「なによ。改まって」
「霊夢はどうして空を飛べるんだ?教えてくれないか」
「そんなこと?簡単よ。私は人間じゃないから」
「どういうことだ?詳しく聞かせてくれ」
「分かったわ。少し長くなるかもしれないけれど、いいかしら」
「構わないぜ」
「あれは今から千年以上前のことよ。あるところに一人の男がいたの。彼はある日、不思議な女の子に出会った。その子は普通の人とは違っていた。その子は妖怪だったの。彼女は彼のことを気に入ったらしく、それから度々彼の前に現れるようになった。そして、いつの間にか二人は愛し合っていた。でも、その関係は誰にも知られてはいけないものだった。なぜなら、二人が結ばれるということは、この世界が崩壊するということだから。だから、二人は秘密の関係を続けていたの。そして、ある時、とうとうその関係がバレてしまった。そして、二人は引き離されてしまった。その男は、愛する人の身を案じた。そこで、自分と彼女の魂を分離させたの。そして、自分の肉体を封印したの。それから長い年月が過ぎた頃、再びその男が目覚めることがあった。その時、男の側にはもう一人の少女の姿があったという。その少女はどうなったかと言うと、実はその男と結ばれていたの。その事実を知った男は絶望した。しかし、それと同時に激しい怒りを覚えた。そして、その少女の亡骸を抱き寄せると、こう呟いたという。『許さない。絶対に許すもんか』こうして、その男は姿を消した。その日以来、その男の姿を見ていないという。これが私の知っている全てよ」
「そうなのか。お前は本当に辛い思いをしてきたんだな」
「ええ、そうなのよ。だから、私には貴方が必要なの」
「分かったよ。これからはずっとお前の側にいてやるから」
「ありがとう」
「礼を言うのはまだ早いぜ。これからだろ」
「そうね」
「そうだ。明日はデートしようぜ」
「いいわね。どこへ行くつもり?」
「そうだな。やっぱり最初は映画かな。その後は遊園地に行って観覧車に乗って、それから夜景を見ながらキスをするんだ。それで、最後にもう一度告白する。それから、それから……」
「はいはい。分かったから。興奮しないの。落ち着いて」
「ああ、悪いな。ついつい嬉しくてさ」
魔理沙が顔を赤くして恥ずかしそうにしている様子を見て霊夢も顔を赤くする。それから、二人はしばらく無言のまま見つめ合った。先に口を開いたのは霊夢の方だ。
「ねぇ、魔理沙。今日は一緒に寝ましょうか」
「ああ、そうだな」
「じゃあ、布団を敷くわね」
「ああ、頼むぜ」
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