博麗神社が幻想郷入り【完結】
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「霊夢を傷つけるような真似は絶対にできないんだ」
前書き
美奈が魔理沙に「霊夢さんのことが好きなんですよね?」と質問した。霊夢が近くにいないせいで寂しくて仕方がないと美奈は答えた。美奈は「霊夢を傷つけるような真似は絶対にできないんだ」と話した。
美奈は悲しそうな顔をして俯くと、「そういえば、魔理沙さんはどうしてこんな時間に外に出ていたんですか?」
美奈が質問すると、魔理沙は顔を曇らせて答えた。「ちょっと眠れなくてな。気分転換に外の空気を吸っていたんだ」「眠れないんですか?」「ああ、なかなか寝付けなかったんだ。おかげで頭が痛いぜ」
「それって霊夢さんが原因ですか?」
「ああ、霊夢が近くにいないせいで寂しくて仕方がないぜ」
「そうですか……」
美奈はそう呟いたきり黙り込むと、しばらく俯いていた。そして、決心がついたのか顔を上げると、真剣な眼差しで魔理沙の顔を見つめた。
美奈はしばらく黙ったまま魔理沙の顔を見つめていたが、唐突に口を開いた。「魔理沙さんは霊夢さんのことが好きなんですよね?」
「いきなり何を言い出すんだよ。好きに決まっているだろうが」
「では、霊夢さんと付き合いたいとは思いませんか?」
「そりゃ、もちろん付き合いたいさ。でも、それは無理なんだ。今の関係を壊すわけにはいかないんだよ」
「どうしてですか?」
「霊夢は優しいから、私の気持ちを知ったらきっと受け入れてくれるだろう。でも、そうしたら私と霊夢の関係は今までとは違うものになってしまう。それは嫌なんだ。霊夢との関係を壊したくないんだよ」
「では、霊夢さんに自分の気持ちを伝えたことはありますか?」「ない。怖くて言えないんだよ。霊夢に拒絶されるのが怖いんだ。もうこれ以上関係が壊れるのはごめんだよ」
「でも、このままでいいんですか?このままだと後悔しますよ。今の関係が変わってしまうのが怖いというのであれば、いっそ伝えてしまえばいいんですよ。たとえ、霊夢さんが貴方の事をどう思っていても、伝えなければ何も変わりません。でも、伝えてしまえば、少なくとも今のままの関係ではいられなくなります。でも、伝えてしまわないと、いつまでも苦しい思いをすることになりますよ」
「確かにそうかもしれないな。だが、やっぱり怖いんだ。霊夢が離れていくのが怖いんだ。せっかく手に入れた幸せを失いたくないんだ」
「それならば、伝えてしまえばいいんです。例え、霊夢さんが魔理沙さんの気持ちを受け入れてくれなくても、伝えずにいるよりはましです。そうすれば、いつかは魔理沙さんの気持ちが伝わるかもしれません。その時に霊夢さんが魔理沙さんの傍にいなかったら、魔理沙さんは一生苦しむことになります」
美奈はそこまで話すと、ふぅっと息を吐いて呼吸を整えてから、再び口を開いた。「魔理沙さんは霊夢さんのことが好きではないんですか?本当は霊夢さんのこと、嫌いなんじゃないんですか?」
「そんな訳ないだろ!私は霊夢の事が好きだ。大好きだよ。だから、霊夢を傷つけるような真似は絶対にできないんだ」
「では、なぜ霊夢さんに本当の気持ちを打ち明けないんですか?霊夢さんに嫌われてしまうのが怖いからですか?それとも霊夢さんに嘘をついている自分が許せないからですか?どちらにせよ、魔理沙さんは霊夢さんに隠し事を続けているんです。それがどれほど辛いことなのか、魔理沙さんにも分かるでしょう?嘘をつくのはやめて下さい。お願いだから、霊夢さんの気持ちに向き合って下さい」
「分かったよ。霊夢に本当のことを言うよ。霊夢にちゃんと気持ちを伝えるよ。霊夢に全部打ち明けるよ。霊夢に私の気持ちを受け止めてもらうよ。霊夢がどんな反応をしようとも、霊夢の気持ちを受け入れるよ。だから、美奈、ありがとう。お前のおかげで目が覚めたぜ」
「良かった。魔理沙さんが元気になってくれて。これで安心しました。これからもずっと友達ですよ」
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