博麗神社が幻想郷入り【完結】
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
魔理沙が部屋に戻ると、美奈が一人で涙を流しているのを見つけた。
前書き
魔理沙が部屋に戻ると、美奈が一人で涙を流しているのを見つけた。魔理沙は「今まで本当にありがとね」と言い残して神社から出て行く。魔理沙が泣かないように必死に我慢するも、美奈の涙は止まることを知らずに溢れ続けた。
ここ最近、美奈が自分に対して向ける視線に違和感を覚え始めていた。最初は嫌われてしまったのだろうかと悲観的になっていたのだが、美奈はただ黙っているだけだった。しかし今日、ようやくその理由が明らかになったのだ。魔理沙が部屋に戻ると、美奈が一人で涙を流しているのを見つけた。美奈が何故泣いているのか理由はわからない。だけど理由を聞いてはいけない気がした。だから美奈が落ち着くまで傍にいてやることにする。だが魔理沙が部屋に戻ってくると美奈は突然、魔理沙の胸に飛び込んできた。一瞬驚くが、優しく抱きしめて頭を撫でてやると美奈は落ち着きを取り戻したようだった。そして美奈の話を最後まで聞くと、今度は魔理沙が泣かないように必死に我慢する。だが美奈の涙は止まることを知らずに溢れ続けた。それでも美奈は話し続ける。それがどんな内容であれ、魔理沙は最後まで美奈の話を聞くつもりだ。すると美奈は魔理沙が想像していたこととは真逆の内容を口にして見せた。美奈の話は霊夢がこの世界に残した言葉だった。魔理沙はそれを静かに聞いていた。美奈は魔理沙の胸に顔を埋めて、泣いていた。だが美奈は魔理沙から離れると、精一杯の笑顔を見せると「今まで本当にありがとね」
と言い残して神社から出て行く。
「待ってくれ!!」
***
(どうして……こんなことになったんだろうな)
霊夢の言葉を思い出す。今にして思えば、あれは別れの挨拶のようなものだったに違いないと思うと、今すぐにでも探しに行きたかった。でも今の状態ではとてもじゃないが霊夢の力になれそうもないな。霊夢が起きるのはまだ先になるだろうからその間に強くなる必要がある。今の私では足手まといにしかならないだろうな。だから今は耐えるしかない。いつかまた霊夢に会える時までに必ず力を蓄えておくからな!待っていてくれ!!そして魔理沙が立ち去ろうとすると背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
私は目を覚ますと見慣れない天井が広がっていた。何が起きたのかさっぱり分からないがとにかく起き上がろうとしたところで手足を拘束されていることに気が付く。私はどうやら監禁されていたらしい。しかしここはどこなんだろう?周りを確認してみると、どうやら私は牢屋の中に居るようだ。
とりあえずここから出られないかなと考えているところに魔理沙がやってきた。どうやら私を助けに来てくれたようだ。私は拘束を解かれた後、一緒に脱出する。私はどうすればいいのかわからなかったから、魔理沙の言うとおりにすることにする。そして二人で脱出を試みてみたけれど、見張りの人間がいるらしく上手く逃げ出せたとしても、結局見つかってしまう。
それから数日が経った。私は毎日のように殴られたり蹴られたり、挙句の果てには首を絞められる始末だった。そんなある日、魔理沙が助けに来てくれたが返り討ちに遭ってしまう。でも魔理沙が頑張ってくれている間に、なんとか逃げ出すことに成功した。それから数日間は魔理沙と一緒に行動していたけど、いつの間にかいなくなってしまった。きっと魔理沙にも事情があったのだろうと納得はしているものの、やっぱり不安で堪らない。それから数日後に霊夢の声が聞こえると魔理沙は嬉しそうに駆け寄っていくが、途中で異変に気が付いたようで急いで引き返していった。それから数時間後、美奈と藍の会話に耳を傾けていた時のことだった。
ページ上へ戻る