博麗神社が幻想郷入り【完結】
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魔理沙と博麗霊夢と結婚した小暮美奈に、兄が呆れたような顔をした。
前書き
魔理沙と博麗霊夢と結婚した小暮美奈に、兄が呆れたような顔をした。小暮は元子役で、整形手術をしたらすぐバレてネットで叩かれるという。小暮は「どう見ても女の子じゃない。これなら文句無いでしょ」と語った。
「うわぁ、何これ!? すごーい!」
私の目に飛び込んできた光景に思わず歓声を上げてしまうと、隣で一緒にテレビ画面を見ていたお兄ちゃんが呆れたような顔をした。
「おい……いくらなんでもそれはオーバーだろ?」「そんなことないよ! だって本当にすごいんだもん!」
私は興奮しながら目の前で繰り広げられているドラマの内容を説明する。
それは、とある少女が憧れの人を追いかけて芸能界に入るという話で……私もその主人公と同じように、テレビの画面に釘付けになっていた。
「……ふぅん。まあ、お前が楽しんでくれたようで良かったけど」
「うん! それにしてもこの女優さん、すっごく綺麗だよね!」
「ああ、この人は最近人気急上昇中らしいぞ」
「へぇ~……」
「小暮美奈って元子役だっけ?」とお兄ちゃんが聞いてきたので、「確か、そうだと思う」と答える。
「やっぱりそういうのって演技の勉強になるの?」
「そりゃあ、もちろんだよ。この前なんか有名な監督さんに会わせてもらって、いろいろ教えてもらったんだから」
「マジか?増田衛門監督が??へぇ……意外と顔が広いんだな、あいつ」
「……? 知り合いなの、お兄ちゃん?」
「ああ、一応。ちょっとした腐れ縁みたいなもんだけどな。それより……どうせならその監督の映画のオーディション受けてみればいいのに。」
「嫌だよ。小暮美奈ってポリプロだろ? この俺が同じ事務所? この俺がポリプロアイドルに? この顔で?w」「……別に、そこまで言わなくても」
「だいたい、こんな顔がオーディション通ったところで、どうせ端役かエキストラ止まりだっての」
「……じゃあ、顔を変えれば?」
「無理言うなって。整形手術なんてしたら、すぐバレてネットで叩かれるぞ」
「だったらいっそのこと性転換すればいいのよ。魔法の力で。それ」
ガラっといきなり窓が開いて小暮美奈が乱入してきた。そして兄に飛びつくとむにゃむにゃ言って煙に包まれた。
「な、なんだこりゃ!! うおっ、胸が、胸が重い!!」
そして再び現れた兄の姿は……美少女へと変貌していた。
「ほら、どう見ても女の子じゃない。これなら文句無いでしょ」
得意げな様子の小暮美奈。
「ちょ、やめ、触るな、触らないでくれぇぇええ!!!」
悲鳴を上げる兄の身体を、容赦なく弄ぶ妹。
こうして……私たちは家族になったのだ。
【第1章】
私はその日以来、ずっと悩んでいる。魔理沙と博麗霊夢どちらと結婚すればいいのか。いや結婚というのは大袈裟だが、とにかくどちらかを選ぶべきなのか。それとも両方選べばいいのか。
そんなことを考えながら私は今日もまた学校へ行く支度をする。ちなみに私は普通の女子高校生である。容姿は普通だし成績も平均的。スポーツに関しては特に目立ったものは持ち合わせていない。名前は小暮美奈。東方の大ファンである。好きなキャラクターは霧雨魔理沙と博麗霊夢。彼女たちについて語ると一晩では足りないほど語り尽くせる自信があるのだが、今回は割愛させて頂くことにしよう。
そんな私がなぜ悩みを抱えているかというと、それは私の通っている高校にある。我が校には二種類の制服が存在する。男子用のブレザータイプと女子用のセーラー服タイプの二つだ。これは去年ぐらいまでは存在しなかった制度なのだが、今年から試験的に導入されたものだ。なんでも生徒の意見を取り入れた結果だとかなんとか……。
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