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ドリトル先生とタキタロウ

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第十一幕その十二

「だからね」
「宮沢賢治さんにしても」
「若くしてだね」
「亡くなってしまったんだね」
「長生きして欲しくても」
「人がそう思っても」
 それでもというのです。
「神様はどう思うか」
「それが人生だね」
「人生はどうなるかわからない」
「そうだね」
「神様の決めることだから」
「運命は変えられてもね」
 本人の動き次第で、です。
「どう変わるかもね」
「わからないよね」
「人間ではね」
「どんな一生を送るか」
「生きるか死ぬか」
「それはね、本当にね」
 どうしてもというのです。
「わからないからね」
「そうだよね」
「どうしてもね」
「宮沢賢治さんが若くして亡くなったことも」
「神様の配剤なら」
「もう仕方ないかもね」
「人間があれこれ言ってもね」
 先生は皆にお話しました。
「結局は」
「沢山のいい人が長生きして」
「時には若くして亡くなる」
「若くして亡くなることは残念でも」
「けれどね」
「それでもだよ、仕方ないのかもね」
 お酒を飲むこともお鍋を食べることも止めて言います、見れば先生のお鍋の中にはインスタントラーメンがあります。
「結局はね」
「人間の一生のことは」
「この世で最もわからなくて」
「神様の配剤かも知れない」
「それならだね」
「どうしようもないかもね、だからあの人が短い一生の中で残してくれた作品を」
 三十七年の人生の中で、です。
「読んでね」
「楽しませてもらって」
「そして学ぶべきなんだね」
「そうすべきだね」
「そうかもね、ただ短い一生の中でもね」
 それでもというのです。
「数多くの作品を残してくれて」
「名作もだね」
「多いんだね」
「その残してくれた多くの作品の中には」
「そうなんだね」
「そうだよ、本当に名作が多くて」
 その童話や詩はというのです。
「読んでも読んでも足りない位だよ」
「そう思うと素晴らしいね」
「宮沢賢治さんという人は」
「とても素晴らしい人ね」
「岩手県東北を代表する人の一人だよ」 
 宮沢賢治はというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
「その宮沢賢治さんのお話を読むね」
「先生もね」
「これからも」
「そうしていくよ」
 こうも言ってでした。
 先生はお酒も飲みました、そうして言うのでした。
「本当にまたね」
「うん、東北にだね」
「来たいね」
「そうしたいね」
「是非ね」 
 こう言うのでした、帰路に着く前の日に。 
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