| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仇名の由来

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章

「仇名がな」
「マイクだったの」
「ああ」
「そうした理由があったのね」
「最初何だって思うだろ」
「ええ、何でマイクなのかって」
 千佳もそれはと答えた。
「日本人なのに」
「実は伊良部さんだってお父さんアメリカ人だったしな」
 寿は千佳にこのことも話した。
「実は」
「ああ、そうなのよね」
 千佳もそれはと応えた。
「あの人は」
「千佳も知ってるな」
「色々ね、悲しいことになったわね」
 千佳は伊良部秀樹と言う人の人生を振り返って言った。
「本当に」
「そうだよな」
 寿も今はしんみりとして述べた。
「あの人は」
「ええ、けれどなのね」
「あの人もな」
「ハーフだったのね」
「案外グラウンドの名前だけでな」
「わからなかったりするのね」
「本名とは限らないしな」
 グラウンドの名前はというのだ。
「特に助っ人の人はな」
「そうそう、本名はね」
「違ったりするからな」
「それでよね」
「仇名だってな」
「そこからわからないこともあるのね」
「そうなんだ」 
 こう妹に話した。
「僕も暫くな」
「グラウンドの名前、グラウンドネームね」
「それが本名だと思ってたし」
 その選手のというのだ。
「いや、本名は違う場合もあるって知って」
「お兄ちゃんも驚いたのね」
「千佳もだよな」
「ええ」
 それはとだ、千佳も答えた。
「本当にね」
「グラウンドネームが本名とは限らないって」
「そうね、しかしね」 
「しかし?」
「いや、阪神の選手って仇名多いわね」
「カープも多いだろ」
「それはそうだけれど」 
 それでもとだ、千佳は答えた。
「阪神には負けるでしょ」
「そうかな」
「伊代の古狸もあったわね」
「藤本監督か」
 これまただ、寿は即答であった。
「藤本定義さんな」
「あの人はお年寄りで」
「当時としてはな」
 それで老将と呼ばれていた。
「愛媛県の生まれで」
「四国の」
「愛媛って昔は伊代っていったから」
 江戸時代までの国名である。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧