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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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73

 
前書き
 林田に協力する光明。 

 
-73 証拠-

 光明は警察署で解析を終えた映像を林田と確認していると、我慢できなくなったのか結愛が競馬場から『瞬間移動』してきた。興奮からか、それとも火照っているからか顔が赤くなっている。まぁ、今日はそんなに暑くない様に思えるのだが。

結愛「光明・・・、証拠出たか・・・?!出ーたーかーあー?」
光明「お・・・、落ち着けよ・・・、林田さんの・・・、大人の前だぞ!!」
結愛「えっ・・・、コホン・・・、私とした事が。失礼。」
林田「大丈夫ですよ、無線からも会話がちょこちょこ聞こえてましたから。」
光明「取り敢えず見よう、再生するぞ。」

 光明はノートパソコンのエンターキーを押し、映像を再生し始めた。全体的に暗いが松明が揺らぎバーの間接照明の様に照らしている。数秒後、顔を隠した3人組がある牢屋に入って行った。別のカメラの映像に切り替わり、3人がはっきりと映っていた。続きを再生しようとすると、窓の外から聞き覚えのある声がする。

声「その映像、ちょっと待った!!」
林田「ここは15階だぞ、誰だよ?!」

 3人が窓の外を見ると背に人の姿をし、小さくなった巨獣人族を乗せたコッカトリスが飛んでいる。デカルトがガヒューを連れてきたのだ。

デカルト「のっちー、超特急で来たから疲れた、お茶でもくれや。」
林田「デカルト・・・、その呼び名止めんかい。」
デカルト「ううむ・・・。とにかく(のぞむ)、早く入れんかい。」
光明「もしかしてさっき仰っていた独自ネットワークとコネって・・・。」
林田「お気付きですか。私の友人、ダンラルタ国王のデカルトです。」
結愛「世間狭・・・。」

 呆然としている結愛を横目に窓から入って来たデカルトは背からガヒューを下ろすと人の姿に戻り光明に再生を促した。

デカルト「貴方が光明さんですね、お邪魔してすみませんでした。再生をお願い致します。」
光明「あ・・・、はい・・・。再生します。」

 映像が再生され、3人の姿がくっきりと映っている。その内の1人を見てまずデカルトが反応した。

デカルト「間違いない、金を渡しているのはクァーデンですよ。主のパントリー・クァーデンです。」
結愛「受け取っている内の1人は・・・、間違いありません。私の憎き父・・・、貝塚義弘です。」
光明「もう1人は魔学校の入学センター長だ、確か名前は・・・、リンガルス!!」
林田「光明さん、音声をお願いします。」

 光明の操作で音声が再生された。

パントリー(映像)「リンガルス・・・、私の娘を何とか首席で入れてくれないか?これで上手くやってくれ。そしてこの為に貴方を呼んだのです、義弘さんもお願いします。」
義弘(映像)「ああ・・・、勿論だ。愚かな馬鹿娘から財閥と学園の全てを取り戻す布石にする。リンガルス、裏工作はしっかりしといてくれよ。結愛め・・・、たった数年で私が苦労して築き上げたものを我が物にした様につけあがりよって・・・、覚えておけ・・・。」
結愛「義弘め・・・、折角信頼を取り戻してきた貝塚財閥を奪われてたまるか・・・。羽田さん、聞こえますか?」

 同時刻、自分がバルファイ国王だと明かしたパルライは師匠であるゲオルに相談を持ち掛けていた。

パルライ「実は、以前バルファイ王国領に邸を構えていたクァーデン家という悪名高い貴族がいたのですが、私たち王宮の者が知らぬ内にダンラルタ王国領に突然引っ越しましたのですが、それ以来王宮や領内の山々、また王都に魔法を使ったと思われる悪質な悪戯が多発してまして。誰の仕業か調べる方法を探しているのですが、流石にダンラルタ王国の方々にご迷惑をお掛けする訳にも行きませんので少し知恵をお借り出来ませんか?」
ゲオル「ううむ・・・、悪戯は決まった時間に起こっているのか?」
パルライ「どうも不定期でしてね、予告等もないので頭を抱えているのです。」
ゲオル「一先ず、王都全体を障壁魔法で囲む必要があるな。障壁内で魔法が発動された瞬間、お前の目の前に魔法を掛けた本人が即飛んでくるようにしておけば何とかなるのでは?」

 パルライは早速王国魔法軍を全員集めて王都全体を障壁で囲みガードを固めた。
 
 

 
後書き
 悪戯と今回の事件に隠された関係性とは。 
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