異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~
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71
前書き
林田は淡々と話し始めた。
-71 捜査が続く中-
林田の『連絡』による電話に驚きを隠せない刑務所長に林田が質問した。
刑務所長(電話)「都市伝説の通り・・・。」
林田「今はそんな事言っている場合じゃない、お前の所に貝塚義弘がいただろ。パワハラ等で捕まった貝塚だ。」
刑務所長「あいつなら逮捕された次の日に重岡とかいう投資家が保釈金を払って速攻出て行ったじゃないか、全国でニュースになっていたぜ。」
林田がただ度忘れしていたのだが、刑務所長が改めて言うには義弘の指示で保釈金を支払った重岡が車で義弘を県外の山奥に連れて行くとそこからは2人とも音信不通となったとの事で、新たな悪だくみを行っていた可能性があった。そこで結愛と光明、そして羽田を含む多くの黒服達が突然消えたと聞き、何らかの方法で追って来たかもしれない。
林田「因みに結愛さんはどうやってこの世界に?それとここに来てからはどうやって?」
結愛(無線)「これも数年前の話です、日本で忙しくしていた私が久々のゆったりとした休日を光明と楽しんでいた時、突然私たちの目の前に幻覚の様な竜巻が現れてそこにいた全員が吹き飛ばされたんです。そのあと目が覚めたらこの世界に。『作成』のスキルもその時知りました、それから少しの間バルファイ王国にある魔学校に通いながらこの世界の事を少しずつ調べて行ったんです。それから貝塚財閥の教育支援の一環として『転送』で持って来た財産の1部を寄付し、ネフェテルサ王国の孤児院を貝塚学園の小分校に、またバルファイ王国の魔学校を高等魔学校と貝塚財閥の支社にさせて頂いているのです。因みにレースの収益でダンラルタ王国に分校を建設する予定でした。」
林田「なるほど、それは我々にも学園を守る義務がありますね。」
その守るべき学園に義弘の魔の手が触れようとしているかもしれない、それは流石に防がなければならない。
その頃、未だトップが⑨番車のまま遂に100周目を迎えようとしているレース場の脇にあるとある施設でバルファイ王国軍の将軍達がひっそりと1人過ごしていた国王を説得していた。バルファイ王国にあるホームストレート横には国王本人が自らの分身を忍ばせている。分身と言えど思考等が本人とそのまま繋がっているので各々の場所に国王のオリジナルが存在している様な状態となっている。ただ分身は空の鎧に魂を魔力でくっつけているだけのもので、それが仮の姿として一般に公開されている国王の姿とされていた。鎧と言っても食事等の動作は人間と同様に行う仕様になっている。
将軍「国王様、恐れながら申し上げます。ダンラルタ王国にて例のクァーデン家に不穏な動きがあるとの連絡がありまして・・・。ただその前に毎年恒例の『アレ』がありますので今すぐレース本部にお戻りいただけますでしょうか。」
バルファイ国王「ううむ・・・、私は派手なのが苦手なので分身に任せてここでひっそりとしていたかったのですが、致し方ありませんね。それと元々クァーデン家はバルファイ王国にいた貴族、気を緩めるわけにはいきません。念の為、少しお時間を頂けますか?知恵を授かりにあの人に会う必要がありそうです。何となく嫌な予感がして仕方が無いので。」
一方、ネフェテルサ王国のレースコース横、特設の観客席で「勝ち確定」を予見した光が前祝をしていた。
光「私さっきからずっと呑んでばっかりだけど良いのかな?一応・・・、主人公なんだけどぉ!!」
ナルリス「気にしない気にしない、良いから呑もうや。」
同時刻、空腹の魔法使いがとある店へと向かっていた。
魔法使い「そろそろ着く頃だな・・・、腹減ったー。」
ルンルンしながら店に入ろうとすると大人数で店内が賑わっているのを目にし、少し待ちを覚悟しながら引き戸を開けた。
それと同時にカバーサの実況がコース全体に響きわたる。
カバーサ「レースも100周目になろうとしており、バルファイ王国にあるレース本部で国王様の宣言と同時に毎年恒例の演出がある模様です。相変わらずの鎧姿で誰も素顔を見たことが無いとされる国王様による今年の演出は何なのでしょうか。」
カバーサの台詞が終わると、バルファイ国王の鎧の分身が特設のステージ上で煙玉を落とすと真昼間なのにも関わらず辺りが真夜中の様に真っ暗になり豪華なスターマインの花火が打ち上げられた。安全の為走行中の各車ではライトが強制的に点灯している。ステージ上の煙幕が無くなると同時に、鎧の分身と店にいたバルファイ国王が入れ替わり観客達が全員騒然とした。光もその内の1人で、先程の魔法使いも店先で同様に驚愕していた。
光・魔法使い「まさか・・・、(光)あの人が・・・、(魔法使い)あいつが・・・、
バルファイ国王だってーーーーー?!」
後書き
バルファイ国王の正体とは・・・。
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