ねっけつ!パウマルタン百裂帳!!~時の刻みネギにゅう麵【完結】
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そして、彼の口から語られたの
「君に頼みたいことがあるんだがいいかな?」いきなりそんなことを言われて戸惑ってしまったが話を聞くだけなら構わないだろうと返事をしたところ部屋に招き入れることにしたのである。そして、彼の口から語られたのは驚くべき内容であった。なんと博士は未来の世界から来た人間であり、この世界を破滅の危機から救うためにやってきたのだというのだから驚きだ。だが、なぜそのことを自分に打ち明けたのか疑問に思ったため聞いてみることにした。すると返ってきた答えは実に単純なものだった。つまり、君は信用できる人間だと判断したからだというのである。それを聞いて嬉しくなった自分は思わず笑みを浮かべてしまっていた。まさか、自分がそこまで信頼されていたとは思いもしなかったからである。とはいえ、これからどうすべきか考えあぐねていたのも事実である。何しろ帰る手段を失ってしまった以上どうすることもできないというのが現状なのである。だからといってこのままこの世界に居続けるわけにもいかないだろうと考えた結果、思い切って元の世界に帰る方法を探すことにした。幸いにも当てはあったのでそこに向かうことに決めた。その場所というのはアメリカのニューメキシコ州にあるエリア51と呼ばれる軍事施設内にある秘密の研究所なのだというのだが、詳しい場所は分からないらしかった。それでも行ってみる価値はあると判断して出発する準備を済ませたあと出発することにした。そうして車に乗り込むと目的地へと向かっていくのだったが、その途中で立ち寄ったガソリンスタンドでガソリンを入れようとした際、所持金がほとんど残っていないことに気が付いた。そのため、仕方なくATMに寄って現金を引き出した後で給油を行うことにした。
その後、無事に目的地に到着することができたわけだが、車を降りた途端妙な違和感を感じ取った。というのも周囲には人の姿が全く見られなかったためである。それどころか人の気配すら感じられない状況だったのだ。そのことに不安を覚えたものの気を取り直して建物の中に入っていくことにした。
建物の中に入ってみると外観以上に異様な雰囲気に包まれていることに気付くことになる。その理由としてはあちこちに謎の装置が設置されていることに加えて照明も薄暗く設定されていることが原因ではないかと推測することができた。ただ、それ以外に気になる点があるとすれば警備員の姿が見当たらないという点だろうか?そんなことを考えているうちに奥のほうから声が聞こえてきたような気がしたので確認するためにそちらへ向かってみることにする。すると、そこには白衣を着た男性が立っているのが見えた。その男性はこちらに気付くなり話しかけてきた。
「やあ、待っていたよ」
その言葉を耳にした瞬間、目の前にいる人物が何者なのかを理解することになった。なぜならその人物こそ私をこの場所に連れて来た張本人だったからだ。なので私は彼に質問を投げかけてみることにした。どうしてここに連れてきたのかと尋ねると、彼は笑いながら答えてくれた。
「実はだね、君と話がしたかったんだよ。だからわざわざここまで来てもらったというわけさ」
その言葉を耳にして私は内心で呆れてしまう。何故なら彼が口にしたことはあまりにも身勝手な言い分だからだ。仮にも相手は女性だというのに一人でこんな場所に連れてくるなんてどうかしていると言わざるを得ないだろう。しかも、ここは人目につきにくい場所にある廃墟ビルの地下に存在する秘密の部屋なのだ。当然、周囲にいるのは私と彼しかいないわけで、助けを呼ぶことも出来ないという状況だった。その為、ここから逃げ出すことが出来ないかと考えていたのだが、そう簡単に逃がしてくれるはずもなく、結局は無駄な抵抗に終わるだけの結果となってしまった。その結果を知った私は項垂れながら溜息を漏らすしかなかった。
「それで、話って何なの?」そう問いかけると彼は笑みを浮かべながらこう言った。
「ああ、それは簡単なことだ。君に協力してもらいたいことがあるんだ」
それを聞いた瞬間に嫌な予感がしたが断るわけにもいかず引き受けることにした。すると彼は嬉しそうにしながら話し始めた。その内容を聞いた時に私が真っ先に抱いた感想は、この人頭がおかしいんじゃないかというものだった。確かに言っていること自体は間違っていないのかもしれないが常識的に考えてありえない話だとしか思えなかったのだ。とはいえ、実際にそれが可能であるのならば話は別なのだが……
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