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ねっけつ!パウマルタン百裂帳!!~時の刻みネギにゅう麵【完結】

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「あら、どうかしましたか?そんなに驚いた顔をして」

暫くの間堪能した後でようやく満足した私は一息つくと周囲を見渡してみた。するといつの間にか夜になっていたらしく周囲には誰もいなかった。そのことに安堵していると背後から声を掛けられたので振り返るとそこには先程殺したはずの彼女が立っていたのだ。
「どうして……?」
動揺する私に向かって微笑むと彼女は言った。
「あら、どうかしましたか?そんなに驚いた顔をして」首を傾げる仕草に合わせて長い黒髪が揺れた。その様子を見ながら恐る恐る尋ねることにした。
「あの……死んだはずじゃ……」そう尋ねると不思議そうに首を傾げていたもののやがて納得したような表情になるとこう言ってきた。
「ああ、そういうことでしたか」そう言うとクスクスと笑う。
何がおかしいのかわからないまま戸惑っていると彼女が言った。
「すみません、説明不足でしたね」そして説明をしてくれたのだがその内容を聞いて愕然としてしまうことになる。要約するとこういうことだった。まず前提として自分は死んでいないということだった。つまり最初から偽物だったのだということが判明したわけである。それを聞いて安堵した瞬間、唐突に吐き気を催したので慌ててトイレへ駆け込むと嘔吐し始めた。胃の中の物を吐き出し終える頃には大分楽になったので洗面所で顔を洗うことにしたのだが、ふと鏡を見るとそこに映っていたのは自分自身の姿ではなく見知らぬ女性の顔だったので驚いてしまった。そこで初めて自分が裸のままだということに気付いた私は慌てて服を着ることにしたのだが、その際股間にあるべきものが無いことに気付くとその場に座り込んで泣き出してしまったのだった。
それからしばらくの間泣き続けていたわけだが落ち着いた所で現状について考えてみる事にした。まず最初に思いついたことは夢オチの可能性だがこれは違うだろうと思い直した。何故なら先程の痛みがまだ残っているからだ。次に考えられる可能性としては幻覚を見るような薬を飲まされたということくらいだろうか?そんなことを考えながら部屋の中を調べてみると机の上にメモ書きが残されていることに気付いたので読んでみることにした。そこには次のようなことが書かれていた。
『この手紙を読んでいるということは無事に目が覚めたようですね』
『まずはおめでとうございます、貴方は選ばれた人間なのです!』『これから貴方にはあるゲームに参加してもらいます』
『ルールは簡単!参加者同士で殺し合って最後の一人になれば勝ちだよ♪』
『最後に生き残った人にはご褒美があるから頑張ってね☆』
(何だこれ……?)読み終えたところでそう思ったがとりあえず最後まで目を通すことにした。
『それではゲームの開始時刻ですが……』そこまで読んだ所で電話が鳴り出したので出てみる事にした。「もしもし?」そう呼びかけると相手が答えた。「どうもこんにちは」それは若い女性の声だったので不思議に思っていると相手の方から名乗ってきた。「初めまして、私の名前は雪乃と申します」それを聞いた私は何故か懐かしい気分になりつつ挨拶を返すと話を続けた。 
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