ねっけつ!パウマルタン百裂帳!!~時の刻みネギにゅう麵【完結】
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午後の授業が終わり、少女が帰りの準備をしていると、「ねぇ、ちょっと」と声をかけられる。
午後の授業が終わり、少女が帰りの準備をしていると、「ねぇ、ちょっと」と声をかけられる。
振り向くとそこには女子生徒がいた。彼女は先日一緒に食事をした友人の一人だ。少女は彼女と一緒に教室を出た。
そして、近くのファミレスに入って、向かい合うように座ると、彼女が話しかけてくる。
「ねぇ、あの時言った事、嘘だったの?」と聞いてくるので、自分は首を振る。彼女は続ける。
「じゃあ何で?」……どうすれば良かったのか分からないからです、とは答えられない。彼女は言葉を続ける。
「あなたが何を思ってるのか、正直言って、私には全然分からない」……分かってほしいと思ったことはない。自分だって、人の考えている事が全部分かるわけではないのだ。
それに、自分が思っている事なんて、きっと誰にも分からないだろう。だから自分は黙っていたのだが、それを伝える方法も、分からなかった。
ただ、自分が彼女を傷つけてしまった事は分かった。だから謝ろうと思って口を開いたが、何も言えなかった。
「……何が言いたいの?」……ごめんなさい。
「それで、許してくれるとでも思ったの?」……はい。
「ふざけないでよ」……本当に、すみませんでした。
「何でよ」
……もう、分かりません。
「ふざけんなよ」……本当に、申し訳ありませんでした。
「何なのよ」……自分でもよく分かりません。
「意味わかんない」……そうですね。
「あんたのせいよ」……そうかもしれません。「ふざけんなよ」……はい。
「何なのよ」……
「もういい」……
「ふざけんなよ」……
「いい加減にしてよ」……
「うるさいんだよ」……
「いい加減にしろよ」……
「お前のせいで」
……
「死ねよ」……
「あんたなんか死ねばいいのよ」………………。…………私、死にます。
そう言って席を立った彼女を、彼は呼び止めなかった。
それから一週間程して、彼女は死んだ。
遺書には、こう書かれていたそうだ。「私は最低の人間です。私は友達を殺しました。私は自殺します。今までありがとうございました」
この話をしてくれた人の名前は知らない。というか、誰も知らなかった。何故ならその人は、自分の事を話した後すぐに死んでしまったかららしい。
ある日突然現れて、いつの間にかいなくなっていた。そんな不思議な人だ。
今思えば、あの話は本当だったのかもしれないと思う。
そして僕は思うのだ。もしかしたら、僕はその人に会った事があるのかもしれないと。いや、確実に会ったはずだと。なぜなら、僕自身が、彼女の言う「彼」だったからだ。
これは僕が経験した話だ。ある所に、二人の男がいた。二人は同じ大学に通っていて、仲が良く、いつも行動を共にしていた。彼らはそれぞれ違った性格をしていて、一見すると正反対に見えるが、実はとても気が合っていたので、一緒にいる事でお互いを補う事が出来たのだろう。
彼らの名前はA君とB君としよう。彼らについて詳しく書くのは面倒だし、何より長くなってしまうので割愛するが、一つだけ言えるのは、彼らが僕の親友であるという事だけだ。
A君は優しくて思いやりのある男だった。誰にでも好かれるような男で、皆に慕われていたように思う。
B君は気さくな性格をしており、皆の中心にいるような存在だった。男女問わず人気があり、誰からも愛されていたようだ。
ある時、二人が喧嘩をした事があった。原因は今となっては覚えていないのだが、その時の二人には、どうしても譲れないものがあったのだろう。お互いに一歩も引かず、何日も口論が続いた。周りの人間は困り果て、どうする事も出来ずにいたのだが、その時偶然通りかかった僕に相談を持ちかけてきたのである。話を聞いた僕は、彼らにこう言った。「とりあえずさ、一旦落ち着いて考えようよ。まずは話し合ってみようよ」それを聞いた二人は頷き合い、話し合いを始めた。しかしやはりと言うべきか、なかなか上手くいかずに、数日が経過した頃、ようやく解決の兆しが見えてきた。というのも、
「俺は別に怒ってないし、お前にも怒っているわけじゃないんだ」
という一言により、事態は収束に向かったからである。その後仲直りした二人を見て安心した僕は、その場を後にしようとしたのだが、突然後ろから声をかけられたので振り返ると、そこには笑顔でこちらを見ているB君が立っていた。どうしたのかと聞くと、どうやら先程の話を聞いていたらしく、
「ありがとな!」と言われたので、どういたしましてと答えた後、続けて質問する。
「どうしてお礼を言われたのかな?」それに対してB君が答えた内容は驚くべきものだった。
「お前があの二人に声をかけてくれなかったらどうなってたか分からなかったからさ!本当にありがとう!」そう言った彼に別れを告げた後、今度こそ帰ろうとしたのだが、何故か気になって後ろを振り返ると、
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