異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~
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63
前書き
70周目を前に騒動が起こった。
-63 レースの裏で-
レースは70周目に入ろうとしている、トップは未だキュルアが乗る⑨番車。他のチーム車両がピットストップを行っていく中でも彼は依然として行おうとしなかったので差がどんどんとついて行く。ピットスタッフに至っては交代で仮眠を取り出す始末だ。
そんな中、レースコースの周辺を3国の警察が協力して警備を行っていた。ネフェテルサ王国では林田警部が指揮を執り、息子で警部補の利通や刑事のノームこと、冒険者ギルドの受付嬢を兼任するエルフのドーラが参加していた。
コースの一部が併設されている競馬場にパトカーや覆面パトカーを止め警備本部のテントを設置して、林田警部がそこで街中の定点カメラ等の映像とにらめっこしていると1人の巡査が緊張で震えながら近づいて来た。手袋をした右手で1通の手紙を持っている。
巡査「警部・・・、あの・・・、よろしいですか?」
林田「ど・・・、どうした?顔が蒼ざめているぞ。」
巡査「実はと申しますと、警部が乗って来られている覆面パトカーにミラーにこれが・・・。」
巡査から手紙を受け取るとゆっくりと開けて黙読した、切り貼りで作られた脅迫状で、こう書かれていた。
-3国のレースコース周辺の各所と、ネフェテルサ王国にある貝塚学園小分校、そしてバルファイ王国の貝塚学園高等魔学校に爆弾を仕掛けた。最下位がゴールした瞬間に爆発する様に設定してある、解除して欲しければ現金1兆円用意しろ。またこの脅迫状を受けてレースを中止したり、爆弾の事を外部に漏らしたりすると即爆発のスイッチを押す。-
林田「爆弾か・・・、しかも3国とはまた面倒な・・・。それにしても貝塚学園か、久々に聞く名前だな。確かネフェテルサの孤児院とバルファイ王国の魔学校がそこに当たると言っていたな。確か転生してくる数年前だったか・・・、あっちの世界で贈収賄の疑いで貝塚財閥の前社長が逮捕される直前に色んな作戦を経て最終的に全権を奪った今の社長夫婦がこっちの世界に転生した時に当時ボロボロになっていた2校を立て直したものらしい。前社長が理事長を務めた貝塚学園高校での独裁政治ぶりが露わになったが故に評判の落ちた学園や財閥を立て直すべく、今の社長が筆頭株主と協力して積極的な教育支援を行い今となってはあっちでもこっちでも文武両道の良好な学園となっていると聞く。確か・・・、貝塚財閥社長兼学園理事長の名前は・・・。」(※私の1作目である「最強になるために」をご参照頂ければと思います。作者より。)
女性「結愛です。」
林田「そうそう・・・、貝塚結愛。・・・って、え?!」
利通「連れてきたよ、俺とこいつら魔学校の同級生でちょこちょこ遊んでてさ、今でもたまに一緒に呑んだりしてるんだぜ。夫の光明も喜んで今回の捜査に協力させてくれってさ。」
林田は利通の胸ぐらを掴み怒鳴った後、結愛に向かって土下座をした。
林田「おい!!利通!!『こいつら』とは何だ、『こいつら』とは!!こちらの方々は私の転生前の世界にある大企業『貝塚財閥』の社長夫婦だぞ!!貝塚社長、愚息が大変失礼致しました、誠に申し訳ございません!!」
光明「ははは・・・、お父さん、いや警部さん。頭を上げて下さい、利通さんが言っていた事は本当ですから。」
林田「それでも・・・。」
結愛「利通さんがこんな性格なのは今に始まった事では無いですのでもう慣れっこなんです、ご安心下さい。」
林田「そうですか・・・、社長がそう仰いますなら。」
結愛「あの警部さん、私達堅苦しいのが非常に苦手ですので気軽に結愛、光明と呼んで頂けますか?」
林田「分かりました、では・・・、結愛さん。宜しいのですか?お忙しいはずですのに捜査にご協力頂けるなんて。」
結愛「勿論です、我々貝塚財閥が力を入れているのは今も昔も『子供達を主体とした教育現場への支援』です。実はこのレースも当社が協賛致しておりまして、売り上げも支援金として教育各所に寄付しようと考えていますから。その場での今回の事件、私も見逃す訳には参りません。警察の方々の捜査に協力するべく、私共の優秀な使用人を連れて参りました。羽田さん、警備隊の方々に混じってでの捜査の方、宜しくお願い致します!!」
結愛に呼ばれた黒服長の羽田が部下を連れてやって来た。
羽田「羽田です、宜しくお願い致します。」
林田「お願いします。さて、ノーム君。他の2国の警備本部はこの事を把握しているのかね?」
ノーム(ドーラ)「各国の警備本部にいる私の同期にメールで脅迫状の画像を送ってあります、確認の依頼を電話でも行っておりますので大丈夫かと。」
林田「分かった、一先ずダンラルタ王国警察に連絡して爆弾処理班の手配をお願いしてくれ。」
ドーラ「分かりました。」
後書き
ダンラルタ王国警察の爆弾処理班とは。
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