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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその五十八

「自分がされたら嫌でしょ」
「はい、嫌です」
「それでも嫌いな人にはするのよね」
「自分がされたら嫌なことは」
「それも相手の嫌がること調べてよね」
「聞いたりして」
「本当に嫌われるわよ」
 新一君にりっぷくして告げました。
「それも一生」
「昔のことをほじくり返してもですか」
「敵作るわよ」
 このことも注意しました。
「どうなっても知らないわよ」
「やっぱり駄目ですか」
「そうよ、嫌いな人でもよ」 
 心から思うことです。
「そんなことしないでね」
「そうなんですよね」
「そうよ、というか人間そんなことしたら」
 それこそです。
「誰だって怨むわよ」
「それで僕は自分が嫌いな相手にはです」
「皆嫌ったでしょ」
「そうなんですよね」
「当然の結果よ」
 心の底から思いました。
「一生嫌われるわよ」
「僕も一生嫌いますけれど」
「途中で感情も変わるでしょ」
 好き嫌いのそれがです。
「その時どうするのよ」
「変わりますかね」
「何かのはずみでね、というか新一君酷いところあるわね」
 つくづく思いました。
「そのままだと復讐鬼になるわよ」
「アニメや特撮に出るみたいな」
「人間憎しみで心が一杯になったらね」
 お父さんに言われたことです。
「かちかち山の兎みたいによ」
「復讐鬼になりますか」
「あの兎確かに悪い狸を懲らしめてるわ」
 狸のしたことは確かに酷いです。 
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