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イタリアの忍法でぱっちり治す!ミウダウモンの眼精疲労(WEBスペシャル!)【完結】

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その答えは少し時間が経過してわかった

「しかも俺たちは中からは絶対に出られない」
「ええ」
「しかし、外の方は俺たちに用がない……というより中に用があるんだ」その男性は、私の質問に対してこう答えるだけだった
「だから俺達が捕まって中に入った瞬間に入り口に錠をかけてしまえばいいのさ」と。
そして彼は店の扉の方に手を向けながら「早くしないと」と言った。私は彼の言葉を最後まで聞くことはなかった。なぜならば、彼が私の言葉を待たずに、突然行動に移ったからだ。
私は彼がいきなり動き出したのを見て驚いてしまう。そして慌ててしまったために何も言うことができないまま店の外へ出て、そのまま店から離れてしまうことになった。
彼は一体なんのつもりなのか? その答えは少し時間が経過してわかった 店の周りに集まっている人々が、次々と警察に助けを求め、それに応えて警察官が駆けつけてきたからである。どうやら、店の外はもう大騒ぎになっていたようだ。それを知って私は急いで店から離れることにした。
そのようにしてしばらくすると私はようやく落ち着いて、これからのことを考えられるようになっていた。もちろん先ほどの男のことについても考えていたが、私はそれよりも、この辺りの状況がどのようなものなのかを考えることにする。
まず私は周囲を見回してみたのだが、そこには私以外に誰もおらず私は一人ぼっちであった。そのため周りにある景色をよく観察することが出来た。
しかし残念なことに、その景色からは何もわからないようだった。
私の立っている場所は、小さな路地裏であるらしいが、その周囲には大きな道路があるようではなかった。ただし、その建物の裏側に別の建物が存在しているようなことはないようだったので少なくとも私は、大きな道路の近くにあるわけではないのだとわかった。
その建物の形は三角形をしており、その三角の中心に入り口があって、そこから中に入ることが出来るのだということはすぐにわかった。しかし私は、自分がどこでどうやってこのような状況になってしまったのかを知ることが出来ないでいた。私はその時、自分自身に起こったことに対してどのように対処すればいいのかが分からず困っていた。しかしその一方で私としてはどうしたらいいのかわからない状況であるにもかかわらず焦っているというわけではなかったのだ。
なぜならば、その場所にいる私の目の前の景色を見ていても慌てる必要がないと感じているからである。この場所には確かに人はいないようであるが別に不安になる必要は無い。なぜかと言うとここはどこかの街の裏手にあって私はそこにいるわけではなく誰かに連れてこられてこの街に来たというようなことがあったわけではないからだ。それにもしもここが街中であったとしたら何かの物音が聞こえるはずであろうし私自身も気づいていたであろう。またこのような場所には明かりが無く真っ暗であったが、不思議と暗闇で何かにぶつかったりするということもなく移動することは出来た。なのでこのような場所が街灯で照らされているとか人が多く行きかっているということもないはずであるから騒いだりしてみたりする必要はないのである。
「私は誰なんだ?」と私は思った。
私がなぜこのような場所で目を覚ますまで意識が無かったのかという理由はわからないがとにかくここにラジオが転がっている。そして私が持っていたのはこの機械装置だけである。
「もしかすると」と思いながらもラジオのアンテナを伸ばしてみるとやはりその装置は電波受信機であることが確認できた。つまり私が目覚めたこの機械装置だけが唯一私がこの世界で頼りにできるものだったということである この機械装置を使って私はラジオの放送を聴いてみることにした。
すると不思議なことに、私の耳に放送が入ってきた。
「これは、どういうことだ?」
その放送局では何と言っているのかということについて私は知らない言語であるがなぜか言っている意味はおぼろげに分かった。それは理解するというより名曲に感銘するといった感じだ。というかトレンドキーワードやタグクラウドの音声版を俯瞰するような感じだ。やがて声の断片が頭の中でパズルのように組み立てられていく。どういった情報なのか分からないけれどもこれは重要な情報ではないのだろうかと思った
「これは」
とそこで、私はある考えを持った 私の手元にあるこの装置が何であるのか、そもそも私は何をすべきなのだろうかということを改めて私は考えなければならない。
犯罪組織の一味になし崩し的に参加する悪夢を見たのだった。馬蹄形の廃坑を利用した倉庫、壁に積み上がった頭がい骨、大量のラジオ部品、そしてよくみると部品のようなささみ肉。豪血せとものピアという奇っ怪極まる施設名…。これらの意味するものはなんだろう?そしてその目的はどこから来たのか? 
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