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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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61

 
前書き
 3位グループの掛け合いはまだ続いていた・・・。 

 

-61 昨日の敵は今日の友と言うが-

 3位グループの3台は今までずっと共に走っていた為か、いつの間にか絆が生まれていた。

④ドライバー「お前ら、大丈夫か?!悪かった!怪我してないか?!」
⑫ドライバー「こちらこそ悪い・・・、あそこで俺が無理に妨害していなかったら・・・。⑧番車の野郎は・・・、無・・・。」
⑧ドライバー「野郎じゃないわよ、失礼ね。」
⑫ドライバー「そうか・・・、悪かった。怪我は無いか?」
⑧ドライバー「私は大丈夫、とりあえずレースの邪魔にならない様に端に避けていましょう、奇跡的にも1台が通れる位の空間は空いてるみたいだからレースに問題は無いと思うわ。」
⑫ドライバー「とにかく怪我が無かったらそれでいい、レースはまたの機会に参加すればいいさ。とりあえず端に・・・。」

 どこかで会話を聞いていたのか実況のカバーサが一言。

カバーサ「お2人さん、良い雰囲気ですがレース自体は一時的に予備のルートを使って続行していますのでご心配なく。」
⑧ドライバー「そうなの?・・・って、アンタどこで聞いてんのよ!!」

 ⑧番車のドライバーに追及されるとカバーサは慌てて胡麻化した。

カバーサ「おや、1匹のコッカトリスが車番プレートを両手に持って自らコース飛んでますよ。えっと・・・、こちらは④番車のドライバーさんですか?」
④ドライバー「俺は・・・、死んだ⑧番と俺を気遣ってくれた⑫番の為に・・・、それと自分達の為に完走だけでもするんだ・・・!!」
⑧ドライバー「失礼ね、私まだ死んでないわよ!!」

 ⑧番車のドライバーによる適格なツッコミにより一瞬会場は湧いたがレースの主催者から通達が出たのでカバーサが伝えた。

カバーサ「えっと・・・、④番さん・・・、気合には皆が感動していますがお車で走っていませんので事故での失格は取り消されませんよ」
④ドライバー「えっ・・・。」
カバーサ「だから言ってるでしょ、あなた失格。今すぐコースから立ち退かないと私が自らピー(自粛)しますよ。」
④ドライバー「は・・・、はいー・・・。」

 ④番車のドライバーは諦めて地上に降り立つと、人間の姿に戻ってから徒歩で戻って行った。背中にはとても哀愁を感じるが、少し震えてもいた。

カバーサ「まぁ、どう考えても距離的に無理なんですけどね、本人自ら立ち退いて下さったので良しとしましょう。あ、くれぐれも私は脅してませんので。」

 観客全員があんたが脅したんだろと言いたくなっている様な表情をしているので、表面上は一先ず否定はしたが、実際は言葉に暗黒系の魔力を乗せて少し脅していた。
 カバーサはとある偉大なリッチの下で修業をしたネクロマンサーである。普段はご存知の通りボートレースの実況をして隠しているが、実は暗黒系の魔法、特に黒魔術を得意としていた。プライベートを知る者はあまりいないという。
 因みにだが、ゲオルの下で修業をしたパルライもネクロマンサーであった。
 さて、皆がカバーサと④番車のドライバーのやり取りに注目している間にトップを独走する⑨番車は競馬場横の道を抜けてダンラルタ王国を目指していた、今日1日で何回国境を通過しただろうかとため息をつきながら退屈そうに走行していたら監督から茶々が入った。

⑨監督「おいおい、どうした?お得意の鼻歌が聞こえんぞ。」
⑨ドライバー「曲・・・、無くなった。」
⑨監督「おいおい、冗談だろ。本当はどうなんだよ?」
⑨ドライバー「飽きた。」
⑨監督「お前、そんなに寡黙なやつだったか?鼻歌している時と全然違うじゃないか・・・。」
⑨ドライバー「許せ。」
カバーサ「えー、先程とは打って変わってとても寡黙なトップの⑨番車のドライバーさんはテンションと走行スピードが反比例するらしく、どんどんとラップタイムを縮めております。これはどういう事なのでしょうか?」
⑨ドライバー「猫・・・。」
カバーサ「は・・・、はい?」
⑨ドライバー「猫・・・、触りたい・・・。」
カバーサ「愛猫家さんでした、意外と可愛い所ありますね。ギャップ萌えしちゃう女性の方々いるんじゃないですか?」
光「ははは・・・、どうだかね・・・。」
 
 

 
後書き
 意外性のある人は案外多い・・・。 
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