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歯が出ていても

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第二章

「発狂していて」
「そのことをずっとね」
「気にしていたのよね」
「自分もそうなるかって」
「そうだったのよ」
「それで悩んでって説あるわね」 
 満里奈はさらに言った。
「自殺したって」
「そうでしょ」
「他にも色々説があるけれど」
「お母さんのことがね」
「それがなのね」
「芥川にとってはね」
「最大のコンプレックスだったのね」
 加奈に対して述べた。
「そうだったのね」
「そうみたいよ」
「出っ歯よりも」
「そのことがね」
「成程ね、いや人間イケメンで頭よくて」
「教養あって大作家になってもね」
「何かしらあるってことよ」
 加奈は満里奈に話した。
「芥川位でもそうだから」
「私達でもなのね」
「ヒトラーだってコンプレックスの塊だったし」
「若い頃はね」
「総統になってからもね」
 それからもというのだ。
「ずっと持っていたから」
「そのコンプレックスを」
「平民出身だったり美大に落ちたり」
「そういうことね」
「実はそんなに成績も悪くなくて」
 学校のそれがというのだ。
「背もね」
「結構高かったのよね」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「あの人もそうだったし」
「誰もがあるものね」
「コンプレックスはね、そのことは知っておかないとね」
「本当にそうね」 
 自分達もとだ、満里奈も加奈も思いつつだ。
 芥川のことを見ていった、整った顔立ちの文豪の写真だけでなく人生もまた。


歯が出ていても   完


                2023・2・16 
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