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第十七話 死の島その一

                第十七話  死の島
 一川達四人は夜の街を不機嫌そのものの顔で徘徊していた。周囲にガンを飛ばしたり絡んだり悪態をついたりしながらだ。やたらと柄の悪い歩き方で徘徊していた。
 その中でだ。菅が仲間達に言った。
「なあ、これからだけれどな」
「ああ、どうするってんだな」
「とりあえず憂さ晴らしにな」
 菅はそのゴロツキそのものの顔を歪ませつつ話す。
「カツアゲでもしてな」
「それで金手に入れてかよ」
「寿司か焼き肉でも食おうぜ」
 これが彼の提案だった。
「どっかのおっさんから金取ろうぜ」
「ああ、親父狩りか」
「それするんだな」
「ああ、ついでにそのおっさんボコってな」
 暴力を振るうこともするというのだ。
「ストレス解消しようぜ」
「そうだな。じゃあ適当に酔っ払ってるおっさん捕まえてな」
「金巻き上げてボコってな」
「そっから寿司なり焼き肉なり食うか」
「酒も飲んでな」 
 四人で話していく。そうしてだった。
 夜の街の中で手頃に襲う相手を探しはじめた。だが、だった。
 その彼等の前にだ。一人の少年が現れた。夜のネオンの中に白と黄金の姿を見せている。
 その彼を見てだ。四人は目を顰めさせて言った。
「何だ、手前」
「何でこんなとこにいんだよ」
「俺達に用でもあるのかよ」
「何だってんだよ」
「裁きの代行の時が来たよ」
 十字は悪態をつく彼等に冷徹な声で返した。その何の感情も見られない声で。
「君達へのね」
「ああん!?俺達への裁きの代行!?」
「手前何訳のわかんねえこと言ってるんだよ」
「何か神様にでもなったつもりかよ」
「頭おかしいのかよ」
「神、僕は神の裁きの代行者だからね」
 十字は自分に対して悪態をつき続ける彼等にいつもの口調で返していく。
「神ではないよ。ただ」
「ただ?何だよ」
「何だってんだよ」
「ここで裁きの代行を行うこともできるけれど君達にはじっくりと行いたいからね」
 十字は四人に言っていく。
「だからね。場所を換えようか」
「へっ、じゃあそこで手前をボコってやるか」
「前から手前は嫌いだったしな」
「いつもすかした態度でいやがってよ」
「女の子にもキャーキャー言われてな」
 十字の整った顔や女の子達の間での人気のことも言う。そうしてだった。
 四人は十字の後ろについていく。彼はそのまま街の路地裏に入った。その奥に来てからだ。
 四人に身体を向けなおしてだ。こう言うのだった。
「寝てもらうよ」
「何っ、寝る!?」
「今度は何言ってんだよ」
「それからだよ。裁きの代行を行うのは」
 十字はその仮面の如き顔で黒い目を夜の中で輝かせながら言う。それは人の目ではなく猫のそれの様に夜の闇の中で光を放っていた。
 その光で彼等を見ながらだ。彼は言っていく。
「そうするからね」
「だから何だよ手前」
「さっきからずっと訳のわからねえこと言ってるけれどな」
「頭おかしいのかよ」
「それとも神様が何だってんだよ」
「ではね」
 今は彼等に答えずだ。そのうえでだった。
 十字は動いた。白い風になり。
 四人の後ろに素早く回り込みその首筋の後ろを手刀で打った。すると四人はその衝撃で気を失った。倒れ込んだ彼等を見下ろしながらだ。十字は言った。 
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