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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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53

 
前書き
 女子会の翌朝・・・。 

 
-53 翌朝を迎えて-

 窓から差し込む柔らかな朝日と共に光は目が覚めた。昨夜は珍しく呑みすぎたのだろうか、少し頭痛がする。
 正直自宅での女子会で呑み始め、玄関前でナルリスに告白され受け入れてキス・・・、キス?!

光「嘘でしょ?!私ナルリスとキスしちゃったの?!・・・、ファーストキス奪われちゃった。」

 それからの事を思い出そうとしていた、恥ずかしくなってヤケ酒して確か何度かリバースして・・・、そこから思い出せない。
 周囲をチラリと見回すと自分とナルリスが脱ぎ散らかした・・・、ん?!
 いや、待て、落ち着こう。そんな訳がないじゃないか・・・。落ち着いて確認しよう。ほら、ベッドの上には衣服を何も着ていない自分とナルリスが寝転んで・・・、え?!

光「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!」

 とにかく急ぎ服を着て落ち着こう、それから深呼吸して確認。ベッドのシーツから濡れていてそこら辺から異臭がするし少し赤色っぽいけど大丈夫だろう・・・、ん?!

光「確定じゃない・・・、酔った勢いって怖い・・・。ヴァンパイアと初キスに初夜・・・、何て滑稽なの・・・、ハハハ・・・。実はもっと血が出ててナルリスに吸い取られたって?はぁ~・・・。」

 異世界にいるが故に出来る想像まで浮かび上がり始めた。そんな時、自室の出入口の扉越しにネスタとドーラがこちらを覗き込んでいる。

ネスタ「どうぞ、続けて続けて。」
ドーラ「いやぁ奥様、貴重な物が見えましたね、私この上なく感動してます。」
光「覗いてたんですか?!心の準備も出来てないんだから見物してないで止めて下さいよ!!」
ネスタ「良いもんだね、朝早くだけどこれを肴に呑めるさね。」
ドーラ「私も呑んで良いですか?」
光「本当に朝から缶ビール呑んでるし・・・、っていい加減にして下さいよ!!」

 その時、林田警部と利通親子が立て看板を持ち勢いよく入って来た。

林田親子「テッテレー!!ドッキリでした!!」
ネスタ「ごめんねぇ。まさか昨日の夜、2人の初キスシーンまで見えると思わなかったからさ、悪戯したくなっちゃって。」
ドーラ「魔法で睡眠状態を出来るだけ継続させている内にシーツ等をすりかえたりして事後をそれなりに再現してみました、テヘ。」
光「え・・・?」
ネスタ「ナルリスが仕掛け人をするのにノリ良い子で助かったよ。」
光「ちょっと・・・、トイレ・・・。長いかも・・・。」

 それから光はトイレに15分ほど籠りほっとした表情をして出てきた。ドッキリなのは本当だったそうで、本人の「大切な何かしら」は守られたらしい。

光「はぁ~・・・、良かった。」
ネスタ「悪かったよ、羨ましかったから悪戯したくなってね。お詫びに朝ごはん作るからお茶でも飲んでてよ。」
光「・・・、お酒が良い。」

 光は今日も休みにしていたので問題は無い。
冷蔵庫をガサゴソと漁り缶ビール・・・、が見つからない。

林田「ごめん、俺とドーラで全部呑んじゃった。」
光「くっ・・・、かくなる上は・・・。」

 光は玄関を出て普段使っている愛車の真横にある蓋を開け、第二の愛車・カフェラッテが置いてある家の裏の地下倉庫に向かって長い廊下をダッシュし、人知れず隠しておいた大型冷蔵庫に貯蔵してある缶ビールを手に取り、地上に駆け上がり一気に煽った。

光「ぷはぁ~・・・、はぁ・・・、やっと落ち着いた・・・。」
ドーラ「そこまでして呑みたくなるほどだったんだ・・・。」
ネスタ「何か本当に悪い事しちゃったみたいだねぇ・・・。」

 生きている事を実感する様に幸せそうにビールを呑む光を横目にネスタ達がドン引きしていると、何も知らずにやっと起きてきたナルリスがドッキリの成功を確認していた。
 
 

 
後書き
 悪戯が過ぎた様だ・・・。 
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