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博士の挑戦状

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第十三話

                  第十三話  メキシコに行って
 博士は毒ガスを製造するとメキシコに向かった、この時はUFOに乗っていたが同乗しているライゾウとタロが言った。
「こんなの普通に造るとかな」
「やっぱり博士って凄いね」
「地球の技術じゃ無理だからな」
「今の人間のね」
「わしにとっては何ということはない」 
 博士は二匹に頭の念波で操縦しつつ応えた。
「別にな」
「博士の技術だとか」
「そうなんだね」
「そうじゃ、まことにじゃ」
 何でもないといった口調で言うのだった。
「これ位はな」
「そうなんだな」
「伊達に二百億年生きてないんだね」
「そして知能指数は二十万じゃ」
 頭のことも言うのだった。
「IQもな」
「だったらか」
「こうしたものも平気で造れて」
「それでか」
「動かせるんだね」
「そうじゃ、メキシコに向かっておるが」
 行先の話もした。
「あそこは悪質なマフィアが多いからな」
「殺す相手にはこと欠かないか」
「そういうことだね」
「左様、小悪党を殺すことはわしの趣味の一つじゃ」
 何でもないといった口調で述べた。
「だからな」
「マフィアに毒ガス使ってか」
「それで実際の威力見るんだね」
「どうせ威力を確認するならな」
「実物相手に使う」
「そういうことだね」
「それがわしじゃ」
 博士のやり方だというのだ。
「だからじゃ」
「メキシコのマフィアに使って威力を確認して」
「ついでに殺人の趣味も楽しむんだね」
「そうする、どれだけの効果があるか」
 念波でUFOを動かしつつ話した。
「見るぞ」
「わかったよ、じゃあな」
「僕達ここにいるからね」
「博士はやってくれよ」
「博士のしたいことをね」
 こう言ってだった、二匹は。
 博士と共にメキシコに向かった、だがUFOに乗っていたのはこの二匹だけではなかったのだった。


第十三話   完


                  2022・11・28 
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