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神々の塔

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第四話 党の前でその二

「身体にもええで」
「大豆やからやな」
「枝豆と一緒やで」
 同じ大豆だからだというのだ。
「ほんまに」
「そやな」
「そやから食べても身体にええんやで」
「いや、国で聞いてへんとな」 
 それならとだ、メルヴィルは言った。
「最初見た時衝撃を受けたわ」
「糸引いてて匂いもきついから」
「これは食べものやないってな」
 その様にというのだ。
「本気で思ったわ」
「アメリカでも納豆あるんやったね」
「今はな」
 メルヴィルは梅干しを食べつつ応えた。
「あるで」
「そやから知ってて」
「日本に来るまで食べたことなかったけどな」
「聞いていてやね」
「よかったわ、寮で出て来てな」
 その納豆がというのだ。
「これがと思ったけど」
「若しそうやなかったら」
「ほんまにな」
 実際にというのだ。
「これは食べものやないってな」
「思ってたんやね」
「文字通り腐ってるってな」 
 メルヴィルもこう言った。
「そうな」
「思って」
「捨ててたわ」
 食べものと思わずにというのだ。
「絶対に」
「外国の人皆そう言うね」
「糸引いてるからな」
 これが大きいというのだ。
「匂いもそうやしな」
「美味しいって聞いてな」
 トウェインも言って来た。
「それはないってな」
「思ったんやね」
「絶対にまずくてな」
 納豆を食べてもというのだ。
「下手したらあたって死ぬってな」
「いや、死ぬんやったら食べへんから」
 綾乃は笑って応えた。
「最初から」
「それはそやけどな」
「そやで、それで食べてみたら」
「これが案外美味いわ」
「そやろ」
「意外とあっさりしててな」
「それが納豆やで」
 綾乃は笑ったまま話した。
「美味しくて身体にもええ」
「いい食べもんやな」
「大豆やしね」
「大豆やとな」
 トウェインは納豆がそれが原材料であることから話した、その為日本では古くから食べられている食べものである。
「身体に悪い筈ないな」
「そやで」
「何でも昔は関西やと嫌われてたらしいな」
 施は真顔で述べた、彼は醤油をかけた海苔を食べている。
「なくて」
「甘納豆やと思ってた人いたそうやで」
「お菓子のやな」
「納豆っていうたらな」
「そやってんな」
「それがな」
 そう思っていたところというのだ。 
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