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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその三十五

「誰かをだ」
「常に傍に置き」
「目を光らせ」
「情報を盗ませないのですね」
「誰かが見ているとな」
 それでというのだ。
「人は容易に動けない」
「例えスパイでも」
「情報を盗むことを仕事にしていても」
「それでもですね」
「目は最大の監視道具だ」
 ただそれがあるだけでというのだ。
「だからだ」
「艦内の誰かを」
「案内役や付き添いとしてですね」
「その名目で置いておき」
「勝手なことはさせないですね」
「それだけで全く違う、何気なくを装いつつだ」
 そのうえでというのだ。
「監視をしていく」
「わかりました」
「ではその様にしていきましょう」
「彼等に対して」
「そうしていく、だがどうもだ」
 艦長は目を鋭くさせてまた言った。
「マウリア軍もこの度の戦争の観戦に来ているが」
「それでもですね」
「観戦よりもですね」
「我々からですね」
「技術を盗むことに熱心になっていますね」
「その様だな、そこまでだ」
 その鋭い目で言うのだった。
「我々の技術が欲しいか」
「自分達のものにし」
「かつエウロパに流し」
「エウロパを発展させて我々と争わせる」
「その為に」
「国益を考えてはいるな」
 マウリアのそれをというのだ。
「それもかなり」
「そのことは間違いないですね」
「彼等も国益を考えています」
「そしてそのうえで動いています」
「このサハラにおいても」
「その姿勢は褒められるな」
 それが連合にとってよくないことでもというのだ。
「全く以て」
「左様ですね」
「我々としては防がねばなりませんが」
「そうしたことではありますが」
「国家として正しい」
 その行動はというのだ。
「まことにな」
「国益の為なら同盟国からも情報を手に入れる」
「そして目的を達する」
「このことはですね」
「正しいことだ」
 国家としてというのだ。
「それ自体はな」
「それはそうですね」
「確かに」
「間違ってはいないどころか」
「正しいことです」
「それは」
「国家は国益を求め」
 そしてというのだ。
「政治家はその国益を手に入れる」
「それが仕事であり」
「それを果たさねばなりませんね」
「そして軍人もですね」
「その為に動くべきですね」
「自分達の職務からな、さもないとだ」
 国益を求めその為に動かねばというのだ。 
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