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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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前書き
 結婚式が始まる・・・。 

 

-㊻輝く日・中編-

2国の王族を巻き込んだ王宮横の結婚式当日を迎え王宮横の教会には街中の住民が教会に集まり2人の結婚の式典を今か今かと待ちわびていた。林田親子も駆けつけ警備体制はばっちりだ。
光はネスタやローレンと合流し、数時間前からギルドの一角で焼き肉屋の板長の協力を得て披露宴に出す料理の準備を行っていた。
野菜や穀物はガイの畑から、その他の材料や飲み物をゲオルの店から提供する事になったので、焼き肉屋の女将が特別に仕入れた肉類と合わせて調理していく。
披露宴でナイフを入れるウェディングケーキは花嫁のキェルダの希望でパン屋でラリーとヤンチが用意する事になった。ウェアウルフとウェアタイガーで何とか協力してくれればいいのだが。
ギルドで披露宴の飾りつけが着々と進んでいく中、教会ではアーク・ビショップのメイスによる祭事での式典が始まろうとしていた。光は盛り付けまでを急ピッチで進め新たに『作成』した『保管』のスキルで出来上がった料理を保管し、ナルと合流すると教会へと駆け足で急いだ。
教会に入ると参加者たちが着席し静かにその時を待っていた。

メイス「お待たせ致しました。新郎・ニコフ・デランドの入場です!」

 扉が開き、いつの間にか練習していたネフェテルサ・ダンラルタ両王国軍の鼓笛隊による入場曲の演奏が始まった。ただ、入場曲は入場曲でも某有名芸人がプロレスラーのモノマネをする時の「あの曲」だ。

光「ははは・・・、誰の趣味?」
ネスタ「うちの人だよ、恥ずかしくてしょうがないね。結婚式を執り行う教会の雰囲気に全く合わないから笑えて来るよ。」

 教会の外で林田警部がくしゃみをした。

林田「うう・・・、さぶっ。友人の晴れ舞台の日に風邪引いちまったかな・・・。」
ニコフ「ふっ・・・、あいつめ・・・。」
エラノダ「ははっ・・・、良い友人を持ったな、ニコフ。いや、デランド将軍。」

 ニコフは少し微笑みつつも林田警部の演出を鼻で笑いながら王宮のメイド長と時間をかけて選んだ衣装の軍服を身に纏いエラノダの先導で入場した。
 エラノダとニコフが入場を終えると、拍手が静まり返った。

メイス「続きまして、新婦のキェルダ・バーレン改め、キェルダ・ダンラルタの入場です。」

 キェルダに依頼され光が選んだ入場曲を鼓笛隊が奏でる。ダンラルタ側の鼓笛隊は鳥獣人族の集まりなので飛びながら演奏する。日本で「着うたの女王」と呼ばれた「あの歌手」の歌った結婚ソングだ。(※作者も好きなアーティストの1人です。)
ただ出入口ではなく教会の天窓が開いたので会場中が一気にどよめいた。

光「こんなの聞いてないよ、誰の演出?」
ドーラ「デカルト国王らしいよ。」

 すると、開いた天窓から1匹のコッカトリスが翼を広げゆっくりと降下してきた。教会の中に降り立ち純白のウェディングドレスを着た新婦のキェルダが背から降りる。コッカトリスが姿を変え、デカルトが現れた。
 新郎と新婦がアーク・ビショップの前に揃い、儀式が始まった。パイプオルガンの演奏に合わせ神教の神を謳う歌を聖職者が合唱した。
 合唱が終わるとメイスにより誓いの儀が執り行われ始める。

メイス「皆様、お集まりいただきありがとうございます。只今入場して参りましたこちらのお2人は神の名の下に夫婦になろうとしています。新郎、貴方はこちらの女性を妻とし、病めるときも健やかなるときもこの方を愛し続ける事を誓いますか?」
ニコフ「誓います。」
メイス「新婦、貴女はこちらの男性を夫とし、病めるときも健やかなるときもこの方を愛し続ける事を誓いますか?」
キェルダ「誓います。」
メイス「Then, you kiss to the bride.(では、誓いのキスを。)」

 ニコフがキェルダのベールをめくり、ゆっくりと誓いの口づけを交わした。

メイス「神の名の下に、そしてアーク・ビショップの名の下に認め・・・、こちらの2人を夫婦とします。」

 教会中が拍手に包まれ、光やメイスを含む女性たちが感動の涙を流していた。
 教会の出入口が開き新たな人生を始めた1組の男女がゆっくりと歩みだした・・・。 
 
 

 
後書き
 幸せな人生を歩みだした2人に神のご加護があらん事を・・・。 
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