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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその二十三

「戦死者は出してはならないです」
「それならです」
「防御力に気を使い」
「ダメージコントロールも考慮します」
「そして出来るだけ戦死者を出さない様にする」
「そうした設計思想です」
「そうなっていますが」
 それがというのだ。
「サハラは違いますね」
「機動力を重視しています」
「戦争にとって非常に重要なそれを」
「それを考慮していますので」
「だからですね」
「そこが根本から違いますね」
「まさに」
「そう考えますと」 
 実にというのだ。
「この違いは当然ですね」
「確かにサハラも生存は考えていますが」
「将兵達の」
「ですがまずは機動力ですね」
「そこからですね」
「考慮してですね」
「設計していますね」
 兵器をというのだ。
「それが出ていて」
「我々より遥かに速度が速く」
「我々も見るべきものがありますね」
「サハラの兵器には」
「そう思いました」
 技術少佐はまた語った。
「実に」
「左様ですね」
「ではですね」
「これからの戦闘も観戦させてもらいましょう」
「我々も」
「はい、それではベトナム軍の方に行きましょう」
 この国の軍の観戦武官達の方にというのだ。
「そして親睦も深めましょう」
「それがいいですね」
「我々も」
「観戦も大事ですが」
「親睦を深めることも大事です」
「それも軍人の仕事です」
 各国の軍人同士交流を深めることもだ、相互理解と人脈を深め築いていって情報交換そして緊張した際の緊張緩和にも役立つのだ。
 それでだ、タイ軍の彼等もこう言うのだ。
「ではですね」
「ベトナム軍の方々とのパーティーに参加しましょう」
「そして楽しく飲んで食べて」
「交流を深めましょう」
 こうした話をしてだった、タイ軍の観戦武官達はベトナム軍の観戦武官達とのパーティーに赴いた。だが。
 その場にはマウリア軍の士官達もいた、それで両軍の士官達つまり観戦武官として来ている者達は怪訝な顔になった。
 そして銀河語でお互いに話した。
「またどうして」
「どうしてマウリア軍の方がおられるのでしょうか」
「今回は両軍のパーティーですが」
「マウリア軍は」
「何でもです」
 ベトナム軍の若い士官、少尉の者が言ってきた。
「マウリア側からの要望で」
「それで、ですか」
「参加をお願いしてきてですか」
「それでなのですか」
「参加されているとか」
 こう両軍の士官達に話した。
「どうやら」
「そうなのですか」
「どうしてかと思いましたが」
「あちらからの要望ですか」
「そうでしたか」
「親睦を深めたいとのことで」
 マウリア側としてもというのだ。 
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