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X ーthe another storyー

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第五話 神剣その三

「休学していないならね」
「学校に行ってもいいんですか」
「ええ、戦いがない間はね」
「それじゃあ。学校は嫌いじゃないですし」
「嫌いじゃないの」
「何か面白いものを一杯感じて」
 そうした場所だからだとだ、哪吒は庚に答えた。
「嫌いじゃないです」
「じゃあね」
「通ってもいいですね」
「そうもしてね」
「じゃあ行ってきます」
「そうして学生生活を楽しんでね」
 庚の声は優しいもののままだった。
「いいわね」
「そうしてきます」
「そういえば私も」
 颯姫も言ってきた、今も表情はない。
「休学中だったけれど」
「よかったらすぐにでもよ」
「学校に通えるのね」
「クランプ学園ならね」 
 哪吒も通っているその学園ならというのだ。
「何時でもよ」
「転校して」
「行けるわ。どうかしら」
「その方がいいわね」
 颯姫はほんの一瞬考えてから庚に答えた。
「地の龍でも平日のお昼から普通に外を歩いていたら」
「怪しまれるわね」
「何かと。私の年齢だと」
「だからよ」
「普段は」
「私や遊人もお仕事をしているし」
 昼の間はというのだ。
「ここにもいないし」
「ビーストはいても」
「ええ、一人でここに残るよりもね」
「外に出て」
「普通に暮らした方がいいわ」
「そうね、天の龍もそうしているし」
 普段は日常の中で暮らしているというのだ、彼等も。
「それなら」
「彼等の動きと合わせるとよ」
「相手の動きもわかるわね」
「だからよ」
「わかったわ、私は転校するわ」
 クランプ学園にとだ、庚に話した。
「すぐに手続きをしてくれるかしら」
「お安い御用よ」
「いい学校ですよ」
 ここで遊人が颯姫に言って来た。
「クランプ学園は」
「そういえば」
「はい、僕の母校なんです」
「だからですか」
「よく知っていますが」
「いい学園ですか」
「そこに行かれますと」
 そうすると、というのだ。
「悪い思いはしませんよ」
「それでは」
「はい、通われて下さい」
「そうします」
「まあ天の龍も来るかも知れないわね」
 クランプ学園にとだ、庚はこうも思った。
「けれどね」
「そこでは争わないことですね」
「無闇に争うものでもないわ」
 また哪吒に話した。
「決してね」
「僕達は」
「必要な時だけよ」
「地の龍として戦う」
「そうしてね」
「そうします」
 哪吒は素直に答えた。 
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