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異世界ほのぼの日記~日本に似て便利な世界でぷらぷら生活~

作者:佐行 院
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前書き
 光のふとした疑問から大きなプロジェクトが発足した。 

 

-㊲子供達のために?-

 異世界に来てどれ位経っただろうか、光はコーヒーを片手にふと思った。神様には何もしなくていいと言われたが今まで色々ありすぎて自分で言うのも何だがそれなりに活躍してきたと胸を張って言える気がする。
 しかし、それなりにこっちでの催しや遊びも楽しんできた、結構日本に近い物を感じていたが異世界なりの変化もあったのでそれはそれで良しとした。
 1人の大人として楽しく過ごしてはいたが疑問に思う事がある。
この国に子供たちの為の遊び場ってあっただろうか、と。
大人たちは街の西側にあるレース場公園夜銭湯や呑み屋で楽しめるが、子供達が遊べる公園や遊園地などの遊び場は見当たらない。
たまに田畑の端を走り回る姿は見かけたがそれ以外は殆ど見ていない。
そこで、教会に行き、アーク・ビショップのメイスに相談を持ち掛けてみる事にした。

メイス「確かにその通りかも知れませんね、他国の公園や遊園地などでは友達を得る子供達が多いですから。」

 教会は孤児院を兼ねていて、子供達が勉学を学ぶ施設や少し狭めだが小学校の様に遊具のある運動場も併設している。
 そこで、メイスが国王のエラノダに相談を持ち掛ける事にした。アーク・ビショップは国王以上の権威や権利のある人間がいて、メイスもその内の1人だった。
 翌日、メイスは王宮へエラノダに直接会いに行った。

エラノダ「そうですか・・・、それは盲点でしたね・・・。」
メイス「子供たちにはお友達やご家族の方々との楽しい交流の場が必要とされています、この機会にご検討をお願いいたします。」

 エラノダは即決断し王国軍の将軍達を集め作業の指示を出した。初めの第1歩として光の家がある住宅地近くに公園を作った、決して大きくはないがブランコや滑り台、そしてジャングルジムなど子供達が楽しめる遊具が設置された公園だ。
 次にインパクトのあるものをと考え、銭湯の向かいの駐車場の端に山の斜面を活かしたローラー滑り台を作ると一瞬にして子供たちの注目の場になった。
 そして銭湯に引いている温泉を利用し年中通える温水プールを建設し親子連れでワイワイしながら楽しめる場所とした。
 メイスはエラノダに直接相談を持ち掛けて正解だと思った、まさかこんなに早く解決するのは予想外だったがこれも王国軍の仕事の早さの賜物だ。
 温水プールの利用客の為、街の洋品店が水着やプール用品専門の支店を出したので経済効果も上昇した。光はパン屋の女子仲間と水着を買いに行き、早速温水プールへと向かった。
 4本の巨大なウォータースライダーが特徴的で流れるプールや体を癒す為のジャグジーまで完備。銭湯と建物を繋げ疲れた体への癒しの場所まで確保している。
 プールサイドではまるで本物のバカンスの様なセットが組まれておりソフトドリンクやアルコールを楽しめる様になっている。

光「大きいね・・・、これなら皆楽しめそう!」
キェルダ「私たちも早く入らなきゃね。」

 そう言いながらも興奮を抑えプールサイドを歩き、流れるプールへと向かった。ゆっくりと入ると流れる温水に身を任せ洋品店で買った内輪やビニール製の海豚のおもちゃにしがみつく。決して冷たくなく、そして熱くなくゆったりと浸かれる温水が身も心も癒されていく。
 時間を忘れ遊んでいるとプールサイドに見覚えのある女性が際どい水着で現れた、まさかのメイスだ。いつもは正装の姿しか見たこと無かったので新鮮さがある、ただアーク・ビショップを表す白を基調としたデザインのものを選んだらしいので実際に着て少々焦っている。

メイス「聖職者らしくない恰好を選んでしまいましたわ・・・。」
聖職者「アーク・ビショップ様、その様なはしたない恰好はおやめください。」

 後ろに従えた聖職者達は2つに意見が分かれていた。彼らの『神教』は個人の自由を尊重する宗教でもあるので・・・。

聖職者「良いではないですか、アーク・ビショップ様。この場では堅苦しい事は無しでしょう。」

 聖職者達をよそにプールをめいいっぱい楽しもうとするメイス。
 それを見て光達は負けじとウォータースライダーへと向かう、ここでよくある件が発生した。
 心はまだ子供のままらしいのが目に見えた。

光「競争しましょう、メイスさん!」 
 
 

 
後書き
 誰しも子供心を忘れるべからず・・・。 
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