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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその十八

「オムダーマン軍の攻勢ですが」
「あれは何でしょうか」
「急にティムール軍に奇襲を仕掛けましたが」
「無数の魚雷がティムール軍の側方や後方に出て来て」
「そうして攻撃していましたが」
「あの攻撃は何か」
「どういった兵器を使用したか」
 それがというのだ、タイ軍の観戦武官達も。
「どうしてもですね」
「わからないですね」
「このことは」
「不明ですね」
「今以て」
 どうにもと言うのだった。
「アッディーン大統領の戦術にしても」
「あの御仁は非常に鮮やかな采配を見せますが」
「今回はですね」
「非常に謎ですね」
「実に」
「はい、あれはです」
 まさにというのだ。
「魔法の様な」
「どういったものかわからない」
「一体何をしたのか」
「そうした戦いでしたね」
「まことに」
「絶対に種はありますが」
 魔法そして手品とも違うというのだ、種も仕掛けもないというのはあくまで手品の文句でしかないというのだ。
「しかしその種が何か」
「まことに不明ですね」
「今の時点では」
「連合の技術でも見付からない」
「それが何かは」
「連合軍は」
 非常にとだ、また言った大尉だった。
「優れた兵器を多く持っていますが」
「我がタイ軍にしても」
「その連合の国の軍隊ですし」
「持っていますが」
「そのどの兵器でもなさそうですね」
「その系統ではないですね」
「そうです、ですから」
 それでとだ、大尉はさらに話した。
「わからないのです」
「いきなり魚雷で攻撃する」
「それも敵の側方や後方から」
「それが一体何か」
「まことにわからないです」
「ステルス性脳の高い兵器」
 それはというと。
「連合軍にはありますが」
「連合軍の兵器は非常にステルス性が高いです」
「サハラのレーダーには映りにくいです」
「艦艇も艦載機も」
「ですから見付からないことも出来ます」
「そうしたことも」
「ですが」 
 それでもと言うのだった。
「サハラ同士ではどうか」
「そうなりますと」
「ステルス性もレーダーの性能も同じ位です」
「それなら見付かってしまいます」
「どう考えても」
 そうなってしまうというのだ。
「しかしそれがならない」
「おかしなことですね」
「どうにも」
「このことは」
「全くです」
 そこはというのだ。
「一体どういった兵器か」
「オムダーマン軍が使ったものは」
「今の時点では不明ですね」
「全く以て」
「今ここでわかるか」
「そのことも」
 どうかと言うのだった。 
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