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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその十七

「ですから」
「出来ないですね」
「連合では」
「連合のどの国でも」
「あれはです」
「サハラならではです」
「全くです、あれは」
 士官は見ればタイ軍大尉の軍服を着ている、黒の詰襟のスーツでその袖には太い金モールが二本巻かれている。帽子の徽章がタイ軍のものなのでそれでタイ軍とわかる。
「この国でないと」
「出来ないものです」
「ブラックといいますか」
「それを言われてです」
「我々も指示出来ないですし」
「勿論案として出すことも」
 このこともというのだ。
「出来ない」
「とてもですね」
「このことは」
「何といいますか」
「サハラは凄いですね」
「あそこまでの指示が出せるとは」
「例え戦闘中でも」
 連合では戦闘中でも出せないというのだ。
「戦闘はしても」
「その戦闘時も死ねという指示は出せないです」
「生きろとは出せます」
「市民を守る為には言えますが」
 市民の盾となって死ねとだ。
「そは言えますが」
「それでもです」
「あの状況であそこまでの指示は」
「とても出せないですね」
「流石に」
「そこが気になりました」
 大尉は同僚達に述べた。
「私にしましても」
「それは私もです」
「それに施設作業にしてもです」
「使用している機械が旧式で」
「その施設方法も」
「技術的に見ますと」
 これがというのだ。
「どうしてもです」
「かなりですね」
「旧式ですね」
「三百年は古いです」
「それだけの古さがあります」
 両国の技術力の差がここでも出ていたというのだ。
「それはです」
「どうしてもですね」
「そこはですね」
「そうなっていますね」
「サハラの軍事技術は優れていますが」
 こちらは連合のそれよりも上とされる場合もある、サハラは戦乱の中にあったのでそれでそうした技術が特化しているのだ。
「しかしですね」
「それでもですね」
「サハラについては」
「戦争に使う兵器はそうでも」
「施設等については」
「一般の機械も多いですし」
「そちらは技術的な遅れが目立ちます」
 連合と比べてだ。
「連合は補助兵器も優れている」
「連合の民間技術の質の違いが出て」
「それで、ですね」
「どうしてもその違いが見えますね」
「今は」
「そうですね、戦闘兵器だけ優れていても」
 どうしてもというのだ。
「そこが弱いと」
「どうしてもですね」
「戦力全体に影響しますね」
「そのことは」
「どうしても出ますね」
「そうですね、しかしその戦闘は」
 大尉は今度は戦闘の話をした。
「凄かったですね」
「全くですね」
「サハラのそれは」
「国境のそれは」
「かなり激しかったですね」
「全くです、しかし」
 ここでだ、大尉はこう言ったのだった。 
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